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格安航空激戦区で得する航空券購入術

 東南アジアでは格安航空会社(LCC)の台頭により、航空券価格の競争が激化している。OAGアビエーションの2024年メガハブ報告によれば、世界のLCC主要空港25カ所のうち16カ所がアジア太平洋地域に集中し、東南アジアの航空座席の61%をLCCが占める。世界平均の30~40%を大きく上回る水準である。
 
 低価格競争が進むなか、上手に航空券を手に入れる方法はいくつかある。まずマイルの活用だ。シンガポール航空のKrisFlyerでは、一部区間で1マイルの価値が3セント以上となるケースもある。加えて、KrisFlyer以外のプログラムを利用するのも有効だ。例えばエバー航空のマイレージでは東京往復が3万5千マイルで可能で、SIAの5万4千マイルより割安となる。
 
 また、近隣都市から出発する方法も有効だ。シンガポール在住のマイル戦略家ダニエル・リム氏は、ジャカルタやクアラルンプールから搭乗することで、より安価で確実な特典航空券を確保している。ジャカルタ発に切り替えることで、シンガポール~ジャカルタ間のファーストクラス区間を追加マイルなしで得られた事例もあるという。
 
 さらに、航空会社のメーリングリストや旅行者コミュニティを活用するのも一手だ。スクートは毎週火曜に「Gotta Scoot」プロモーションを実施しており、MilelionやSuitesmileといった情報共有サイトも割安航空券の入手に役立つ。
 
 価格に敏感な東南アジアの旅行者にとって、航空会社選びは単なる運賃比較にとどまらず、利便性や体験価値を含めた“知識戦”となっている。賢く情報を集め、戦略的に動くことが節約への近道である。