シンガポール当局がクラブやバーでの電子タバコ(ベイプ)取締りを強化しているにもかかわらず、利用者による使用は続いている。ストレーツ・タイムズ(ST)が8月22日、23日、29日に現地調査を行ったところ、人気クラブ「Zouk」「Drip」「Marquee Singapore」やナイトライフエリアのプリンセップ・ストリート周辺で若者らが隠れて吸引する様子が確認された。
7月時点では堂々と使用する客も見られたが、その後クラブ側は「禁止」掲示を増やし、入場時の荷物検査も厳格化した。しかし8月30日未明には「Zouk」の喫煙エリアで20代男性がベイプを使用していた。8月15~23日にかけての一斉取締りでは、全国のナイトスポットで115人が摘発され、うち5人が薬物入り電子タバコ「Kポッド」を所持して逮捕された。
「Drip」では入口に回収ボックスを設置し、警備員が巡回して注意を呼びかけているが、トイレや外の喫煙エリアで使用する客が後を絶たない。プリンセップ・ストリートの裏路地でも同様の光景が確認された。
専門家は若者が流行や仲間意識に影響されやすく、依存性の強さも相まって使用がやめられないと指摘する。シンガポールナイトライフ事業者協会(SNBA)はHSAと連携し、禁止表示の徹底や啓発活動を強化すると表明した。
オン・イエクン保健相は8月28日の会見で「国内のベイプ使用者の3分の1は18歳未満、半数以上は30歳未満」と述べ、危険性を強調した。政府は9月1日から罰金を引き上げ、未成年は500Sドル、成人は700Sドルとなる。Kポッド使用者には強制的な更生措置も科される。
シンガポールのクラブ利用者、厳格な取締り下でも電子タバコ使用続く
