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シンガポール国立大学、9月1日から禁電子タバコを強化

 シンガポール国立大学(NUS)は9月1日より電子タバコに対しゼロトレランス方針を導入し、取締りと監視を大幅に強化する。大学は8月31日に学生へ送付したメールで、緊急対応要員や警備員が校内巡回を増やし、電子タバコの使用や所持を厳しく取り締まると通知した。
 
 不正行為を目撃した場合は24時間ホットラインや内部通報制度で報告可能であり、発覚した学生は当局に通報される。さらに大学独自の懲戒処分も科され、初回違反でも寮からの退去、学内宿舎やリーダーシップ活動、海外プログラムへの参加資格停止があり得る。再犯者には休学処分、薬物入り電子タバコ使用者には資格剥奪や除籍処分も科される。
 
 背景には、麻酔薬エトミデートを含む「Kポッド」と呼ばれる電子タバコの乱用増加がある。政府は9月1日からエトミデートを薬物乱用法のクラスC薬物に指定し、厳罰化を進める。ウォン首相も8月のナショナルデー・ラリー演説で「電子タバコを薬物問題として扱う」と強調した。
 
 教育省は8月29日、高等教育機関を含む全学校で喫煙違反者への処分を厳格化すると発表。2022年から2024年にかけ、年間約800人の学生が摘発されており、多くは30歳未満である。
 
 また9月1日からは、未成年によるKポッド使用や所持に対する罰金が300Sドルから500Sドルへ、成人では500Sドルから700Sドルへ引き上げられる。違反者は最長6ヵ月の更生プログラムを受ける義務があり、再犯者は逮捕や強制監督下での薬物検査を課される。