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プリヴェ・グループ、全店舗を閉鎖 シンガポール外食業界に打撃

 シンガポールの外食大手プリヴェ・グループは8月31日をもって全店舗の営業を終了した。高級志向のレストランチェーンを展開してきた同社は、仕入先への通知で「すべてのレストラン事業を終了する」と明らかにし、今後は独立系の財務アドバイザーを通じて対応を進めると説明した。
 
 同社はホーランド・ビレッジ、ボタニック・ガーデンズ、ウィーロック・プレイス、アジア文明博物館(ACM)内のプリヴェ各店と、中国料理店「エンプレス」の計5店舗を運営していた。このうちACM内の2店舗は9月1日付でコモンウェルス・コンセプツが引き継ぎ、エンプレスは営業を継続している。プリヴェの跡地は9月4日からベーカリー「ベーカー&クック」として再開予定である。
 
 2025年は外食業界にとって厳しい年となっており、ミシュラン星付きのユーフォリアやアルマ・バイ・フアン・アマドールをはじめ、高級日本料理店イマムラ、人気ブランドのエッグスラットやバーガー&ロブスター、さらにはラーメンの金田家(Kanada-Ya)や山頭火なども撤退した。パンケーキチェーン「フラフスタック」やホットポット大手ハイディラオの旗艦店も閉鎖に追い込まれた。
 
 さらに9月末には、オペラ・エステートの「レ・マン」や老舗「嘉和(カ・ソー)」、フラリッシュ・ベイクハウス、ハラル対応の「フラフベーカリー」なども閉店を予定している。
 
 プリヴェ・グループのYuan Oeij会長(55)は「市場環境の厳しさと運営コストの高騰が重なり、閉鎖を余儀なくされた」と述べた。