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新型ERP2.0車載端末で未払い料金の精算が可能に

 シンガポール陸運庁(LTA)は8月27日、次世代型道路料金システム「ERP2.0」に搭載される車載端末(OBU)の新機能を発表した。9月1日から、未払いとなった料金をOBUのタッチスクリーン画面で直接支払うことが可能となる。
 
 対象は表示機能付きOBUを装着した車両で、料金未払いがある場合はホーム画面にアイコンが表示される。運転者は停車時に画面上のボタンを押すことで決済でき、代金は端末に挿入されたストアドバリューカードから差し引かれる。
 
 未払い分の支払い期限は5日間であり、超過すると10Sドルの事務手数料が課される。この猶予制度は2024年10月から導入されたもので、ERP2.0により未払い処理コストが低減したことが背景にある。支払通知はSMSで車両登録者に送信され、期限を過ぎると郵送通知と手数料が発生する。なおAXS端末やオンラインで支払った場合、反映まで1日を要する。
 
 OBUは2023年11月から順次導入され、現在約70万台に設置済みである。シンガポール国内の車両総数は7月末時点で約101万台。LTAは2026年までに設置を完了させる計画で、未装着の利用者に対し早期対応を呼び掛けている。
 
 今回の機能追加により、運転者は利便性を高めつつ未払いリスクを軽減できる見込みである。今後はチェックポイント通行料や路上駐車料の支払いなどにも拡張予定とされ、ERP2.0の活用範囲はさらに広がる見通しである。