シンガポール陸上交通庁(LTA)は、国内およびマレーシアとの国境を越える違法ライドシェアの取り締まりを強化し、8月5日の合同摘発で19人の運転手を検挙、車両を押収した。LTAと入国管理・検問庁が陸路検問所で合同作戦を行うのは初めてで、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイやチャンギ空港での巡回も併せて実施。2022年以降、違法越境旅客輸送で検挙された運転手は計136人に上る。
今回の措置には賛否が分かれている。マレーシアの一部運転手は「通勤仲間を送迎しているだけ」と主張し、燃料代や車両入境許可料を分担する形で金銭のやり取りがあるが商業目的ではないと訴える。一方、シンガポールのリムジン業者は「違法業者が最大4割安で料金を設定し、保険未加入の場合も多く、我々の事業に打撃を与えている」と歓迎の意を示す。
陸運当局によると、有罪となれば最大2,600Sドルの罰金や車両没収の可能性がある。スン・シュエリン運輸高級政務次官は「無免許かつ保険未加入の運転は乗客を危険にさらし、正規ドライバーの生計を脅かす」と述べ、取り締まり強化の必要性を強調した。
シンガポール、違法ライドシェア取り締まり強化でマレーシア運転手に賛否
