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シンガポール、2025年経済成長率予測を上方修正も米国関税に懸念

 シンガポール通商産業省(MTI)は12日、2025年の国内総生産(GDP)成長率予測を従来の0~2%から1.5~2.5%に引き上げた。上方修正は上半期の経済が予想を上回る伸びを示したためで、同期間の成長率は前年同期比4.3%、第2四半期は4.4%増となった。背景には、米国の関税発動前の「駆け込み輸出」による製造業や卸売、輸送など外需型産業の活況がある。一方、飲食など内需分野は減速した。
 
 米国は90日間の関税猶予や複数国との関税引き下げ合意を進めたが、主要輸出品である医薬品や半導体への追加課税リスクは残る。MTIは下半期の成長は外需の鈍化と関税発動で減速すると警告。米中交渉延長や地政学的リスクも不透明要因である。とはいえ、航空機整備やAI関連半導体など一部産業は堅調を維持しており、最終的な成長率が予測上限を超える可能性も指摘されている。