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小学生に電子タバコ売り込み 学校・保護者が警戒強化

 2025年7月25日、フェアフィールド・メソジスト小学校(FMS)の小学4年生の児童が下校途中、ドーバーライズの横断歩道付近で、10代の少年2人に電子タバコの購入を持ちかけられる事件が発生した。児童は申し出を断り、その場を立ち去ったという。
 
 FMS小学校のソー校長は、事件の報告を受けて警察に通報したと述べ、生徒には「知らない人には関わらず、信頼できる大人に知らせるように」と注意喚起を行った。学校側は今後、放課後の校外周辺の見回りも強化するとしている。
 
 この件は保護者のチャットグループを通じて広まり、懸念の声が上がっている。ある保護者のワン氏(49歳)は「子どもたちは電子タバコやKpodsの危険性を理解していない。親として非常に心配」と語った。Kpodsとは、合成薬物エトミデートが含まれた電子タバコで、使用により筋肉のけいれん、呼吸抑制、精神錯乱などの症状を引き起こす。
 
 別の保護者コー氏(50歳)は、「小学校の校内に『禁煙』『禁VAPE』の掲示があるのは意外だったが、今では必要な対策だと実感した」と語る。保護者の間では、通学路での不審者を写真で記録し通報する提案も出ている。
 
 教育省(MOE)は、「生徒の安全は最優先事項であり、教職員は不審な行動に常に注意を払っている」との声明を発表。各学校では喫煙・VAPE防止のためのリソースや報告手順が整備されており、HSA(保健科学庁)への通報体制も構築されている。
 
 また、MOEは2023年以降、保健推進庁やHSAと連携し、保護者向けに電子タバコの違法性と健康被害についての注意喚起を「Parents Gateway」ポータルを通じて学期ごとに配信している。
 
 タジョン・パガー選挙区のオン議員は、自身のSNSでこの事件を共有し、「日中に起きた出来事。今回は児童が冷静に対応できたが、すべての子どもが同じように行動できるとは限らない」と注意を促した。
 
2024年には、小学校から高等教育機関までの生徒による電子タバコ所持・使用の報告が2,000件に達し、2022年の800件、2023年の900件から急増している。

 保健相オン・イェクン氏は、Kpodsに含まれるエトミデートを薬物乱用法の「クラスC薬物」に分類する方針を発表。違法VAPEの所持や販売には最大で6ヵ月の禁錮刑と1万Sドルの罰金が科される。エトミデートを含むポッドを使用・所持した場合、最長2年の禁錮刑と同額の罰金が科される可能性がある。
 
 VAPEに関する違反は、HSAの通報ホットライン(6684-2036または2037)で毎日午前9時〜午後9時まで受付けている。