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社会

2025年7月24日

LTAが違法ライドヘイリング通報フォームを公開 国民からの情報提供呼びかけ

 シンガポール陸運庁(LTA)は、違法なライドヘイリング(配車)サービスに対する通報を容易にするため、公式サイト「OneMotoring」に新たなオンライン通報フォームを開設した。新システムは7月20日に稼働を開始しており、一般市民からの情報を捜査に活用する狙いがある。
 
 この取り組みは、ライセンスを持たない運転手によるシンガポール国内およびマレーシアとの国境を越える違法輸送サービスの取り締まりを強化するLTAの一環である。
 
 7月23日時点で新しい通報チャネルを通じた報告はまだ寄せられていないが、交通担当上級国務大臣スン・シュエリン氏はFacebookで「外国ナンバーの違法ライドヘイリング車両に関する情報提供を促進するために設けた」と述べ、「乗客と合法ドライバー双方の利益を守るため、協力して取り組もう」と呼びかけた。
 
 実際、LTAは7月11日と18日にチャンギ空港およびガーデンズ・バイ・ザ・ベイでの摘発を実施。国民および民間配車車両協会(NPHVA)からの情報に基づき、32名の違法運転手を逮捕し、車両を押収した。これらのドライバーは、無許可で国内およびマレーシアとの越境輸送を行っていた。
 
 NPHVAの顧問であるヨー・ワン・リン氏も、LTAの新しい取り組みについて「違法行為への抑止力と対応スピードを高める」と評価し、「こうした無認可のサービスは保険や安全基準を満たしておらず、乗客にとって危険であるだけでなく、業界の信頼と正規ドライバーの生計を脅かす」と警鐘を鳴らした。
 
 現行法では、シンガポール国内および越境輸送を行うには公共サービス車両ライセンス(PSVL)が必須であり、違反者には最高3,000Sドルの罰金または6カ月の懲役、もしくはその両方が科され、車両の没収も可能となっている。
 
 合法な越境輸送は、シンガポールおよびマレーシアの当局から承認を受けた登録タクシーに限られ、指定された乗降場所のみでの運行が許可されている。マレーシア登録のタクシーは、ASEAN域内公共車両許可証の取得も必要だ。
 
 LTAは7月19日にもFacebookで、違法サービスの利用は保険未加入や安全性の欠如といったリスクを伴い、取り締まり中に移動が中断される恐れもあるとして利用を控えるよう改めて注意喚起した。
 
 2022年以降、外国ナンバー車両での無許可越境輸送により104人の運転手が摘発されており、有罪判決を受けた者には最大2,600ドルの罰金や車両没収が科されている。今後も通報体制の強化を通じて、LTAは違法サービスの根絶に取り組む構えだ。

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