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社会

2025年7月21日

2-in-1警察ロボット「ギブソン」がチャンギ空港で試験運用開始

 チャンギ空港第4ターミナルで、警察用パトロールロボット「ギブソン(Gibson)」の試験運用が7月上旬より開始された。ギブソンは、自律走行型のパトロールロボットでありながら、警察官が長距離を移動する際に使用できる個人用移動機器(PMD)としての機能も兼ね備える2-in-1型の最新ロボットである。
 
 このロボットは、複数のカメラやセンサーを搭載しており、人や障害物を自動で回避する能力を持つ。警察官はスマートフォンやタブレットを使って、ロボットを指定のピックアップ地点まで呼び出すことが可能で、目的地までの移動を自動運転に任せながら他の業務に集中することができる。手動での操作も可能で、物理キーによって自ら運転する選択肢も用意されている。
 
 ギブソンは、内務省科学技術庁(HTX)がA*STAR情報通信研究所との連携で開発したもので、「警察官のバディ(相棒)ロボット」をコンセプトに設計された。HTXのロボティクス部門に所属する技術者シー・チー・ヤン氏は、「ギブソンは警察官とロボットの協働を次の段階へと進める存在である」と述べている。
 
 安全面にも配慮されており、走行中に人が乗ろうとすると自動で停止し、進路を妨害された場合には警告音を発する仕様となっている。7月16日には、2台のギブソンがメディアに公開された。
 
 ギブソンの名は、1900年代初頭に初の電動スクーターを発明したアーサー・ヒューゴ・セシル・ギブソン氏にちなむもので、空港で導入される2番目の警察ロボットである。初代パトロールロボットは2023年4月に導入されており、5年以上の試験運用を経て正式展開された。
 
 空港警察部の作戦計画担当官であるパトリック・パン警視は、「ギブソンは既存のパトロール体制を補完し、空港内の警察存在感を強化する」と語り、「呼び出し機能により警察官が手間をかけずにロボットを活用でき、自動運転モードでは駐車の心配もなく、再び自律パトロールに戻れる点も大きな利点である」と述べている。

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