2025年7月15日
HSA、薬物混入電子たばこの取り締まり強化
シンガポール保健科学庁(HSA)は、電子たばこおよび薬物混入型ヴェイプ(通称Kポッド)に対する取り締まりを一段と強化しており、7月10日にはビシャンで劇的な逮捕劇が展開された。
事件はビシャン・ストリート13で発生。HSAの捜査官が容疑者の車を取り囲んだ際、運転手は急発進して逃走を試みた。すると、1人の捜査官が走行中の車の助手席に飛び乗り、約50m先で車を停止させた。容疑者はその場で拘束され、車内からは「Zombie」や「USDT」などと記された封筒に入ったKポッドが多数発見された。
この取り締まりは、新聞『The Straits Times』が偽名でSNS上の売人に接触した調査から始まった。Telegramなどを通じて販売されていたKポッドは、エトミデートやケタミンといった強力な薬物を含むヴェイプ製品で、販売者は配達込みで2個140Sドルと提示していた。
最終的にHSAはこの27歳の男の車から28台のヴェイプ機器と814個のポッドを押収。さらに近隣の自宅を家宅捜索し、関連機器が押収された。男は「ただの配達人」と主張している。
また、6月23日にはイーシュン・アベニュー6付近の住宅でも別の摘発が行われ、22歳の女性とその友人3人が拘束された。女性はナイトクラブでホステスとして勤務しており、同僚などにKポッドを販売していたとされる。摘発時、4人は朦朧とした様子で、Kポッドを使用直後だったと話している。現場では219点のヴェイプ関連製品が押収された。
エトミデートは「毒物法」により輸入・販売に許可が必要であり、所持や使用も厳しく罰せられる。違反者には最大2年の禁錮、1万Sドルの罰金、またはその両方が科される可能性がある。
HSAは今後も若年層の関与が増える中、実態解明と摘発を強化していく方針である。