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経済

2025年7月14日

シンガポール経済、第2四半期も堅調成長

 シンガポール経済は2025年第2四半期においても堅調な成長を維持し、米国の関税政策に対する不透明感や世界的な貿易逆風にもかかわらず、景気後退を回避した。
 
 通商産業省(MTI)が7月14日に発表した速報値によると、同国の国内総生産(GDP)は前年同期比で4.3%成長し、第1四半期の4.1%を上回った。ロイターのエコノミスト予測(3.5%)も大きく上回る結果であった。季節調整済み前期比では、前期の0.5%減から反転し、1.4%の成長を記録した。
 
 第1四半期のGDP成長率も当初の3.9%から4.1%に上方修正された。これにより、2025年上半期全体の成長率は平均4.2%となっている。
 
 MTIは声明で「2025年後半の世界経済には、米国の関税政策の先行き不透明感により依然として下振れリスクが存在する」と警戒感を示した。
 
 産業別では、製造業が前年同期比5.5%増と、第1四半期の4.4%を上回る伸びを示した。化学および一般製造を除く全ての業種で生産が拡大した。建設業は4.9%増と、前期(5.1%)から若干の減速が見られた。
 
 サービス業では、卸売・小売、運輸・倉庫部門が合計で4.8%増となり、前期の4.6%から改善。特に水上輸送と機械・設備関連の卸売が、米国の関税猶予期間終了前の駆け込み需要に支えられた。小売業も自動車および非自動車部門ともに販売量が増加した。
 
 情報通信、金融・保険、専門サービス分野は前年同期比3.8%の成長で、第1四半期の3.7%をわずかに上回った。金融部門では銀行業務と金融関連業務が好調であった。前期比ではこれらの分野が1.3%成長し、第1四半期の4.4%減からの回復を示した。
 
 宿泊・飲食、不動産、事務支援、その他サービスを含むサービス群も前年同期比で3.4%の成長を記録。前期の2.3%から加速し、外国人旅行者の増加による宿泊業の回復が牽引した。
 
 シンガポール経済は、外部環境の不確実性が残る中でも、広範な産業におけるバランスの取れた成長が続いている。

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