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シンガポール、結婚数が減少する一方で新婚夫婦の安定性は向上

 2024年のシンガポールにおける結婚件数は2万6,328組で、2023年(2万8,310組)およびコロナ後の反動で過去最高を記録した2022年(2万9,389組)から大幅に減少した。特に25~34歳の男女による民間婚の減少が目立っている。
 
 これは7月7日に発表された「家族動向レポート2025」によるもので、家族のライフステージに関する統計をまとめたものとなっている。報告書によると、25~29歳の花嫁との結婚は988件、30~34歳では506件減少。新郎側も同様に大きく減少した。
 
 一方、離婚・婚姻無効の件数は7,382件で前年より3.7%増加。ただし、2020~2024年の平均は7,291件で、2015~2019年の7,536件と比べると減少しており、全体的には婚姻の安定性が増しているとみられる。
 
 結婚時の中央値は、男性31.1歳、女性29.6歳で前年と同様。合計特殊出生率(TFR)は0.97と過去最低を維持しており、子どもを持たない女性の割合は40~49歳の既婚女性で15%に上昇した。
 
 結婚10年未満での離婚率は改善傾向にあり、2005年の17%から2013年には14.4%に減少。特にムスリム婚では2005年の25%から2013年には18.2%と顕著に低下している。これは政府や地域団体が実施する結婚準備や夫婦向けプログラムの成果とされている。
 
 また、国民の家族の回復力に関する調査では、子どもを持つ親の9割が中〜高水準の家族レジリエンスを持つと回答。効果的なコミュニケーションや問題解決能力、家族としての信念の強さが寄与している。
 
 マサゴス社会・家族開発相は、「シンガポールは引き続き家族にとって良い場所であり、社会全体で子育てや家族を支える文化が根付いている」と述べた。家族を支える取り組みの重要性が再認識されている。