2025年7月8日
シンガポール、2035年までに4つのゴルフ場を閉鎖
シンガポール政府は7月7日、2035年までに国内4つのゴルフ場を閉鎖すると発表した。住宅開発や教育施設整備など他の用途に土地を転用するためであり、閉鎖後は国内のゴルフ場が現在より減り、12ヵ所となる見通しである。
閉鎖対象は、Mandai Executive Golf Course(2026年末)、Warren Golf and Country Club(2030年10月)、Orchid Country Club(2030年12月)、Tanah Merah Country ClubのGarden Course(2035年末)の4ヵ所である。既に2024年にはMarina Bay Golf Courseも閉鎖されており、今後も土地の再配置が進むものとみられる。
また、Singapore Island Country Club(SICC)のBukit Courseと、Keppel ClubのSime Courseも2030年末にリース満了を迎え、今後は公共ゴルフ場として少なくとも1つが再整備される計画である。Orchidの運営を行う全国労働組合会議(NTUC)への用地提供も検討中とされている。
閉鎖後も残る12ヵ所のうち、KranjiとSentosa(Serapong)の2コースはリース更新が認められ、2040年末まで運営が継続される。その他7ヵ所のゴルフ場についても2040年にリースが満了し、その後の更新については政府が検討を行う予定である。
国防省が運営するSembawang Country Clubを含め、今後の土地利用においては住宅、経済、交通、公共サービスといった国家的ニーズとのバランスが重視される。法務省は「ゴルフ場は固定期間のリースであり、契約終了後に土地を国家の優先事項に活用できるようにする」と説明した。
一方、ゴルフ会員権業者によれば、閉鎖発表による即時の価格変動は限定的とされるが、長期的にはコース数の減少により価格上昇が見込まれるという。特にSeletarやSentosaのようにリース期間が長いクラブでは既に価格上昇が始まっており、今後も上昇が続く可能性が高い。
加えて、政府はナショナルチームや若年層の育成を強化するため、Keppel Clubに続く第2のゴルフ訓練拠点を設置すると発表。週次のトレーニング枠を確保し、国内ゴルフの普及を支援する体制も整えつつある。
ゴルフコースの整理と公共スペースの拡充は、限られた国土を有効活用するというシンガポール政府の土地政策を象徴する動きである。
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