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経済

2025年6月30日

自動運転導入でも雇用は維持

 シンガポールで自動運転車の導入が進んでも、運輸業界における雇用は維持される見込みであると、交通担当代行大臣ジェフリー・シオ氏が6月27日に述べた。
 
 広州市への視察中、シオ氏は「今後、道路上では自動運転と人による運転が共存する」と説明。プロドライバーの役割は変化するが、新たな機会に適応できるよう政府が支援すると強調した。例えば、乗客の補助やツアーガイド、荷物の積み下ろしなど、新しい業務が生まれる可能性がある。
 
 広州で複数の自動運転企業を視察したシオ氏は、若年層がプログラマーや運行管理者として活躍していると紹介。これらは氷山の一角であり、今後さらに職種は拡大すると語った。
 
 全国労働組合会議(NTUC)のイエオ副事務局長も、夜間運行や安全性の向上といった点で自動運転は労働者に恩恵をもたらすと述べた。車両整備、研究開発、運行監視といった新たな分野への就職機会も拡がるとし、若者の公共交通業界への関心向上にも期待を示した。
 
 WeRide社では、シンガポールのパートナー企業EZ Buzzの運転手をリスキリングし、安全管理員や遠隔オペレーターに転換。こうした取組が市民の理解を促進し、雇用喪失への不安を軽減するという。
 
 ComfortDelGro社も中国・Pony.ai社と提携し、自社乗務員のスキル再編を進めている。清掃や燃料補給、遠隔操作といった業務には引き続き人の手が必要であるとの見解を示した。
 
 Pony.aiのCEOジェームズ・ペン氏は、2025年末までにシンガポールで小規模な自動運転サービスを開始したい意向を示し、「技術変化は雇用の転換であり、社会全体で適応する時間がある」と述べた。

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