2025年6月13日
日本のラーメン店「金田家」、シンガポール全3店舗を閉店 事業継続困難で清算へ
日本発のラーメンチェーン「金田家(Kanada-Ya)」が、シンガポール国内で運営していた全3店舗を閉店した。運営元であるアスペングループ(Aspen Group)は、継続的な赤字により、同社の完全子会社であるKanada-Ya SGおよびKanada-Ya Restaurantsを「債権者による任意清算」の手続きに入れると、6月11日付で証券取引所に届け出た。
アスペン社は声明の中で、「シンガポールの飲食業界は運営コストの上昇や消費者の支出抑制など厳しい状況に直面しており、それが事業損失を継続的に拡大させた」と説明。また、ブランド本部の創業者・エグゼクティブディレクターの死去により、マーケティングや運営支援が大きく低下し、店舗運営が困難になったと述べた。
金田家は福岡県行橋市を発祥とするラーメン店で、黒ニンニクラーメンやトリュフ風味ラーメンなどが人気だった。シンガポールでは、2019年にパヤ・レバ・クオーター(PLQ)に初出店し、その後マリーナ・スクエア、Jemモールの3店舗体制となっていたが、すべてが2024年6月上旬までに営業を終了している。
アスペン社は今回の清算について「2025年6月期の純資産および業績に対してプラスの影響が見込まれる」とし、今後は主力事業である不動産開発に注力する方針を示している。
なお、シンガポールの飲食業界では同様の苦戦が広がっており、日本食チェーンのジャパンフーズも2024年3月末までの半年間で620万Sドルの赤字を計上。既存ブランドの売上減少により、同社が展開する「金色ホトトギス」も3店舗を閉店するなど、日本食レストランの再編が進んでいる。