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金融

2025年6月2日

シンガポールドル高、旅行者と米国留学生に好影響

 シンガポールドル(SGD)は2025年に入り、対米ドル(USD)で6~7%の上昇を示し、過去20年で最も強い水準に達した。旅行者や米国への留学・赴任者にとっては、購買力が向上し、出費の軽減が期待される展開である 。
 
 第一に、旅行者に恩恵がある。米ドル建ての旅費や宿泊費、現地での支出が割安になり、同じ予算でも旅行内容を充実させやすくなる。その結果、例年多くのシンガポール国民が訪れる米国旅行の選択肢が再び広がる構図となっている 。
 
 第二に、米国で学ぶ学生や赴任者にとっても、経済的な負担が軽減される。学費や生活費など、USドルベースで発生する支出が相対的に減少するため、長期滞在のコスト面においてメリットがあると評価される。
 
 ただし、この強いSドルは一部の企業や消費者にはデメリットをもたらす可能性がある。輸出業者にとってはシンガポール製品の価格競争力が低下し、海外からの輸入品価格が相対的に上昇し、一部消費者にはコスト増の側面も現れている 。
 
 専門家によれば、Sドル高は全体としては中長期的にUSドルの利上げ懸念や世界的な景気観測と関連しているという。今後はUSドルの動向・FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の行方にかかっており、Sドルの上昇傾向が維持されるかどうか注視が必要である。

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