2025年5月27日
シンガポールで「偽友人詐欺」被害拡大、4月以降65万Sドル以上の損失
シンガポール警察は、2025年4月以降、「偽友人詐欺」による被害が急増し、少なくとも187件の報告があり、被害総額は65万3,000Sドル(約7,300万円)に達したと発表した。
この詐欺は、犯人が被害者の知人や友人を装って連絡を取り、金銭を騙し取る手口である。犯人は、SNSやメッセージアプリを通じて被害者に接触し、緊急の資金援助を求めるなどして信頼を得た後、金銭を要求する。被害者は、実際の友人からの連絡だと信じ込み、指示された口座に送金してしまうケースが多い。
シンガポールでは、詐欺やサイバー犯罪の件数が年々増加しており、2023年には4万6,563件が報告され、被害総額は6億5,180万Sドルに上った。特に「偽友人詐欺」は、2023年に6,859件が報告され、主要な詐欺手口の一つとなっている。
警察は、知らない番号からの連絡や、突然の金銭要求には慎重に対応するよう呼びかけている。また、友人からの連絡であっても、別の手段で本人確認を行うことが重要である。被害を防ぐためには、個人情報や金融情報を安易に共有しないことが求められる。
当局は、詐欺対策として、2022年に「Anti-Scam Command(ASCom)」を設立し、警察の各部門と連携して詐欺防止に取り組んでいる。また、詐欺防止アプリ「ScamShield」の導入や、SMS送信者ID登録制度の運用など、技術的な対策も進められている。
市民には、詐欺の手口や対策についての情報を積極的に収集し、疑わしい連絡には慎重に対応することが求められる。また、被害に遭った場合は、速やかに警察に通報し、被害拡大を防ぐことが重要である。