ローレンス・ウォン氏、シンガポール新首相に正式就任

　2025年5月23日、ローレンス・ウォン氏がシンガポールの新首相としてイスタナ宮殿で正式に就任した。この就任式は、5月3日に行われた総選挙で与党・人民行動党（PAP）が得た65%の支持を背景に実施された。ウォン氏は、英語、マレー語、中国語の3言語で演説を行い、国民の信任に感謝を示すとともに、新たな時代への決意を表明した 。
 
　ウォン首相は演説で、「シンガポール人は、信頼できるリーダーと安定した政府を選び、国の次の発展段階に向けて確かな道を選んだ」と述べ、国民の選択が国内外に明確なメッセージを送ったと強調した。また、国際社会や投資家にとって、シンガポールの団結と政府への信頼は大きな利点であると指摘した 。
 
　新内閣では、経験豊富な閣僚の継続起用とともに、新たな人材の登用が行われた。ウォン首相は、「新しいメンバーが経験を積み、将来のリーダーシップを担う準備をすることが重要である」と述べ、長期的な視点での人材育成の必要性を強調した 。
 
　ウォン氏は、2024年5月にリー・シェンロン前首相から政権を引き継ぎ、シンガポール独立以来4人目の首相となった。今回の就任式は、建国60周年（SG60）という節目の年に行われ、国の新たな章の始まりを象徴するものとなった。
 
　今後、ウォン政権は、経済戦略の見直しや社会的包摂の強化を進め、国民との対話を重視したガバナンスを目指す。不確実性の高まる国際情勢の中で、シンガポールの安定と繁栄を維持するための舵取りが期待されている。

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