2025年5月21日
マレーシアの2025年経済成長率、4.2%へ下方修正
フィッチ・ソリューションズ傘下の経済調査機関BMIは、マレーシアの2025年の国内総生産(GDP)成長率予測を従来の5.0%から4.2%に引き下げた。今回の見直しは、米国の貿易政策の影響を受けた輸出環境の悪化と、民間投資の減速傾向を反映したものである。
特に、電子・電気製品の分野においては、米国向けの出荷が関税導入前に一時的に急増したが、今後は米国市場への輸出が減少に転じると見込まれている。この動きは、マレーシアの輸出依存度の高い経済構造にとって逆風となる可能性がある。
また、国内投資活動にも影響が及んでおり、建設部門の成長率は2024年第4四半期の23.1%から、2025年第1四半期には16.6%にまで鈍化した。これは、金利水準の影響に加え、投資家が先行きの不透明感から慎重な姿勢を強めていることが要因とされる。
BMIは今後の見通しについて、公共投資やインフラ支出が下支えする可能性を指摘しつつも、対外環境の変化により経済回復の足取りが鈍化するリスクを警告している。政府と企業の柔軟な対応が問われる局面である。