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経済

2025年5月21日

米国関税の影響、シンガポール建設業界に波紋

 米国が新たに導入した鉄鋼・アルミニウムへの関税措置が、シンガポールの建設業界に深刻な影響を及ぼしている。資材価格の上昇と納期の遅延が懸念されており、建設プロジェクト全体の予算管理とスケジュール遂行に不確実性が広がっている状況である。
 
 特にアルミニウム価格は、2024年9月時点の1tあたり2,449.9USドルから、2025年3月には2,658.30USドルに上昇。その後、4月には2,371.60USドルに一時下落したものの、依然として不安定な価格推移が続いている。このような価格の変動は、現場調達コストの予測を困難にし、施工計画に支障をきたす恐れがある。
 
 業界団体は、中国やインドといった主要供給国のアルミニウム工場が、米国からの注文増加により逼迫していることを指摘している。その結果、アジア諸国への供給量が制限されており、シンガポールへの輸出も滞りがちとなっている。
 
 これにより、多くの建設会社が契約の再調整や代替資材の調達を迫られる可能性があり、今後の建設市場全体の安定性にも影響を及ぼす見通しである。政府や業界関係者は、サプライチェーンの多角化や長期的な調達戦略の見直しが急務であるとの見解を示している。

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