2025年5月16日
マレーシア、出生数が過去最低を記録
マレーシア統計局(DOSM)は2025年5月14日、2025年第1四半期における出生数が9万3,500人となり、前年同期比で11.5%減少したことを発表した。
これは統計開始以来、最も低い水準であり、同国の少子化傾向がさらに加速していることを示している。出生数の減少は、若年層の結婚・出産の先送り、都市部での生活費の高騰、教育や住宅に対する経済的負担などが要因とされている。
特に都市圏では共働き世帯の増加や育児支援体制の不十分さが出産意欲を下げているとの指摘もある。この傾向が続く場合、将来的には労働力人口の縮小、経済成長の鈍化、年金制度や医療保険制度など社会保障への財政的圧力が強まる懸念がある。
政府はこれまでも出生率向上を目指し、育児支援策や住宅補助などの政策を導入しているが、効果は限定的であり、抜本的な対策が求められている。人口構造の変化が国家の持続的成長に大きな影響を及ぼす中、政府の次なる一手が注目される。