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金融

2025年5月8日

アジアのクリーンエネルギー転換に最大5億USドルを拠出へ

 シンガポール金融管理局(MAS)は、アジア地域のクリーンエネルギーインフラ整備を支援するため、最大5億USドルの優遇資金を拠出することを発表した。この資金は、2023年に立ち上げられた「アジア移行資金パートナーシップ(FAST-P)」の一環として提供され、同パートナーシップは公的・民間・慈善団体の協力により、アジアの脱炭素化と気候変動への対応を目的としている。
 
 FAST-Pは、商業的な資金調達が困難な再生可能エネルギーや持続可能なインフラプロジェクトへの投資を促進するため、優遇資金と民間資本を組み合わせたブレンデッドファイナンス手法を採用している。シンガポール政府は、他の政府や国際金融機関、慈善団体からの出資と同額を拠出することで、最大50億Sドルの資金動員を目指している。
 
 この取り組みには、HSBCとテマセクが設立したサステナブルインフラ融資会社「ペンタグリーン・キャピタル」が参加しており、東南アジアを中心に持続可能なインフラプロジェクトへの資金提供を行う予定である。
 
 また、オーストラリア政府もFAST-Pに対し5,000万USドルの出資を決定し、東南アジアのクリーンエネルギー転換と持続可能なインフラ開発を支援する姿勢を示している。
 
 MASは、アジアの再生可能エネルギー能力の拡大や既存の電力インフラの近代化には、今後10年間で約1兆1,000億Sドルの資金が必要と試算しており、FAST-Pを通じてその一部を賄うことを目指している。
 
 このように、シンガポールはアジア地域の脱炭素化と持続可能な経済成長を支援するため、官民連携による資金提供を積極的に進めている。

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