シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP訪日外国人の最大の不満は「ゴミ箱の少なさ」―観光庁調査

社会

2025年5月7日

訪日外国人の最大の不満は「ゴミ箱の少なさ」―観光庁調査

 訪日外国人が日本滞在中に最も不便だと感じたのは「公共のゴミ箱の少なさ」であることが、日本政府の最新調査で明らかになった。観光庁が2024年12月から2025年1月にかけて、新千歳、成田、羽田、関西、福岡の5空港で約4,000人の外国人旅行者に実施した調査によると、21.9%がこれを最も不満に感じたと回答した。
 
 この割合は前年より約8ポイント改善したものの、多くの回答者が「ゴミを捨てる場所が見つからず、宿泊先まで持ち帰った」と述べており、依然として大きな課題となっている。
 
 かつて日本には多くの公共ゴミ箱が存在していたが、1995年の地下鉄サリン事件や2004年のマドリード列車爆破事件などを受け、安全対策の一環として撤去が進められてきた。その結果、観光地におけるポイ捨て問題が深刻化している。
 
 公共スペース向けに圧縮機能付きソーラーゴミ箱を設置するフォーステック社の竹村陽平CEOによれば、ニューヨークやパリでは約3万個の公共ゴミ箱が設置されているが、東京では自治体設置のゴミ箱がほぼ姿を消し、現在は民間企業が一部を担っている状況だという。
 
 その他の不便としては、15.2%が「言語の壁」、13.1%が「観光地の混雑」を挙げた。また、入国審査時の待ち時間が長いという空港での不満も指摘されている。
 
 日本の観光政策の今後の課題として、清掃インフラの再整備や多言語対応の強化が求められている。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP訪日外国人の最大の不満は「ゴミ箱の少なさ」―観光庁調査