2025年5月7日
シンガポールの小売売上、3月に回復傾向を示すも業種にばらつき
シンガポールの小売売上高は2025年3月に前年同月比で1.1%増加し、前月の3.5%減から回復した。統計庁が5月5日に発表したデータによると、特に時計・宝飾品の売上が好調で、13.5%の伸びを記録した。
自動車販売を除いた小売全体でも0.7%の増加となり、2月の6.5%減から反転。3月の小売総額は43億Sドルであり、このうち13.4%がオンライン販売によるもので、2月の12.3%から上昇した。
オンライン販売が最も多かったのはコンピューター・通信機器で、総売上の50.5%を占めた。家具・家庭用品が32.8%、スーパーマーケット・ハイパーマーケットでは13.1%がオンラインで販売された。
業種別では14分類中半数が前年同月比でプラスとなった。化粧品・医療用品は3.6%増、スーパーマーケット・ハイパーマーケットは3.4%増を記録した一方、ガソリンスタンドは8.2%減、衣料・履物は8.0%減と低調だった。
飲食業は前年同月比で2.8%減となり、前月の5.7%減に続いて減少。特にレストランは6.6%減、ファストフード店は3.6%減となったが、フードケータリングは19.6%増と好調だった。飲食業の売上総額は9億6,000万Sドルで、その24.9%がオンライン経由だった。
DBS銀行のエコノミスト、チュア氏は、「第1四半期の小売売上は底堅いが、今後の景気減速や雇用の伸び悩みにより、消費は圧迫される恐れがある」と述べ、今後の下振れリスクを警告している。