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経済

2025年5月7日

女性投資家が急増、金融リテラシーとデジタル化が後押し

 シンガポールでは近年、投資に踏み出す女性が急増している。特に新型コロナウイルスのパンデミック以降、SNSやオンライン講座を通じて金融知識を得た若年女性が、証券口座を開設し投資を始める動きが活発化している。
 
 タイガーブローカーズでは、2020年から2024年の間に女性の口座開設者数が18倍に増加。ムームーでも2021年から2025年にかけて15倍に達した。OCBC証券では、2024年の女性の新規口座数が2019年比で倍増している。
 
 背景には、使いやすいオンライン証券の登場や低手数料、女性向けセミナーの増加などがある。投資初心者でも手軽に始められる環境が整ったことが、投資へのハードルを下げた。
 
 また、女性の間で「貯める」から「増やす」へという意識の変化も起きている。NUSビジネススクールのアガーワル教授は「女性は長寿であり、介護役割を担うことも多いため、資産形成への積極的な姿勢は好ましい」と述べる。
 
 ただし、男性と比べてポートフォリオの規模には依然として差がある。ムームーでは男性の平均投資額が女性の44%多く、これは所得格差や就労年数の違いが影響しているとされる。
 
 一方で、女性の方がリスク許容度を正確に把握し、長期的な投資を継続する傾向が強いという調査結果もあり、持続的な資産形成において優位性を示している。
 
 今後も、女性の経済的自立とデジタル金融サービスの進化が、さらなる投資参入を後押しする見込みである。

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