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経済

2025年5月6日

シンガポール発のAIモデル「Sea-Lion」、東南アジアで活用拡大へ

 シンガポール発のオープンソース大規模言語モデル(LLM)「Sea-Lion」が、東南アジア企業を中心に導入が進み、累計ダウンロード数は23万5,000回を超えた。2024年にはインドネシアの大手GoToグループが自社AI基盤に採用するなど、実運用への展開が進んでいる。
 
 2025年4月に発表された最新モデル「Sea-Lion v3.5」は、複雑な推論やマルチステップ指示の処理能力を強化。今後は音声認識や画像認識の機能追加も予定されており、話し言葉や非文字言語が多様な地域での応用が期待される。対応言語は英語、中国語のほか、マレー語、タミル語、タイ語、ジャワ語など13言語に及ぶ。
 
 GoToグループは同モデルをベースに独自AI「Sahabat-AI」を構築し、インドネシア語やスンダ語の理解精度で他モデルを上回る成果を得た。NCS(Singtel傘下)も法務・規制関連の文書翻訳や多言語顧客対応に活用を進めている。
 
 Sea-Lionは、推論機能のオン・オフが選択できる「ハイブリッド推論」モードや、12万8,000トークンの長文処理能力を持ち、GPT-4oやLlama 3.1に匹敵する性能を備える。AI Singaporeは、地域特化のベンチマーク「SEA-Helm」で同モデルがChatGPTやDeepseekの最新モデルを上回る性能を示したと発表している。
 
 今後、アジアの文化的・言語的背景を踏まえた補完的AIモデルとしての役割が注目され、企業の本格導入が加速する可能性が高い。

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