2025年4月28日
米国、シンガポールとの貿易強化に向け「創造的解決策」を模索
ガン・キム・ヨン副首相兼貿易産業相は4月27日、米国との貿易関係強化に向け「創造的な解決策」を模索していく方針を示した。ガン副首相は、25日に米国商務長官ハワード・ラトニック氏と電話会談を行い、両国間の貿易とビジネスの現状について説明したと述べた。
現在、シンガポールは米国向け医薬品輸出の円滑化に向けた譲歩交渉を進めており、米国側も重要輸出品目の強化に前向きな姿勢を示しているという。医薬品はシンガポールの対米輸出額の10%以上を占め、貿易促進は経済にとって不可欠である。
また、シンガポール企業による米国製高性能AIチップへのアクセス確保についても協議された。ラトニック氏は輸出管理強化の必要性に触れたが、シンガポールの厳格な輸出管理体制に理解を示し、今後協力して指定エンドユーザーへの適切な輸出を目指す方針で一致した。
ガン副首相は、シンガポールが小国ゆえに機動的な対応が可能であり、米国との協議を迅速に進める意向を示した。時期については未定だが、米側も「シンプルかつ迅速な解決」を重視しているという。
また、ガン副首相は、国内の雇用と企業支援に向け、シンガポール経済回復タスクフォースの下、即応支援、雇用維持、長期的な事業転換の3分野で対策を検討中であると述べた。
一方、ローレンス・ウォン首相も前日、与党集会で米国との信頼関係の重要性を強調。米国側がシンガポールとガン副首相に「完全な信頼を寄せている」と述べたことを紹介し、両国の長年にわたる連携の強固さを訴えた。