2025年4月23日
EV販売が過去最高、2025年Q1の新車登録の4割を占める
2025年第1四半期、シンガポールにおける電気自動車(EV)の新車登録が4,383台に達し、全体の40.2%を占める過去最高の水準となった。これは前年同時期の33.6%、2023年の18.1%から大幅な増加である。
陸上交通庁の4月16日の発表によると、同期間の全体登録台数は10,883台で、前年同期比35.2%増。これはCOE(車両割当証明)の発行数増加が背景にある。
中でも中国ブランドのBYDが市場を席巻し、2,183台を登録。これは新車登録全体の5台に1台に相当し、EVのみならず全自動車市場でも首位を獲得した。テスラ(413台)とBMW(361台)がそれに続く。
新規参入のXpengは190台で4位に浮上、GACも順位を上げた。一方、日本勢はEV分野での存在感が乏しいとされる。
EV普及を後押しするのは最大S$4万の税優遇や、ディーラーによる積極的な販売戦略に加え、COE価格の変動も影響している。特に大衆車向けのカテゴリAのCOEはS$9万7,724と、カテゴリB(S$11万7,889)に比べ割安であり、BYD Atto 3はCOE込みでS$15万7,888と、トヨタのハイブリッド車(S$18万0,888)よりも安価となっている。
専門家はEVの半数以上がカテゴリAに属していると見ており、今後さらに普及が加速するとの見通しを示す。NUS経済学部のサルボ准教授は「シンガポールは“熱帯のノルウェー”になり得る」と述べ、EVの環境面での利点と将来的な定着を評価した。