2025年2月14日
シンガポールの生命保険市場、2024年に19.7%成長し59億ドル規模に回復
2023年に減少したシンガポールの生命保険市場が2024年に大幅回復し、前年同期比19.7%増の58億7,000万Sドルに達した。これは、生命保険協会(LIA)シンガポールが2月13日に発表した新規販売総額の統計による。
回復の要因として、投資連動型保険(ILP)の販売増が挙げられる。ILPの販売額は前年の16億Sドルから41%増の22億5,000万Sドルに達した。LIAによると、経済の不確実性や高金利環境の中で、生命保険の保障を持ちながら高い収益性を期待できるILPを活用する消費者が増えたことが影響した。
特に、定期払いのILPが好調で、市場の変動リスクを分散できる「ドルコスト平均法」を活用する手法が消費者に支持された。非参加型保険商品も前年比19.2%増の21億9,000万Sドルに拡大した一方で、参加型保険商品は2.7%減少した。
2024年の総保険金額は前年比3.6%増加し、成長の40.7%は金融アドバイザーが、33.3%は専属代理店が寄与した。また、健康保険の加入者数も1.8%増え、統合シールドプラン(IP)を持つシンガポール国民と永住者は約4万人増加した。現在、シンガポールの総人口の約71%にあたる297万人がIPを利用している。
LIAのデニス・タン会長は「2024年の回復は今後の成長基盤を確立するものだ」と述べた。金利の変動や地政学的リスクの影響が続く中、業界の柔軟性と回復力が示されたとしている。