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経済

2025年1月27日

チャンギ空港、2025年以降の成長に期待も競争激化の懸念

 シンガポールのチャンギ空港は、2024年における旅客数が6,770万人とコロナ前の2019年の記録(6,830万人)の99.1%まで回復した。2025年には航空需要の増加が見込まれ、小規模ながら成長が期待されている。
 ヵ国
 空港のネットワークは現在、49ヵ国・地域163都市に接続し、週7,400便以上が運航中。経済回復と新規航空路線の導入により、さらなる発展が見込まれる。目標は2030年代半ばまでに200都市以上との接続を実現することである。
 
 一方で、競争の激化が空港のハブとしての地位を脅かす要因となる可能性がある。アジア太平洋地域では現在、既存空港の拡張プロジェクトが170件、新規空港建設が90件進行中であり、総投資額は約4,080億Sドルに上る。シンガポール航空以外の主要低コストキャリアであるエアアジアとジェットスターの規模縮小も、空港全体の競争力に影響を与えている。
 
 また、香港国際空港や仁川国際空港などのライバル空港も拡張を進めており、香港は年1億2,000万人、仁川は1億600万人の旅客処理能力を有している。さらに、中東の空港や新型長距離機材(A350-1000やA321XLR)の導入により、シンガポールを経由しない直行便の増加が懸念される。
 
 チャンギ空港グループ(CAG)は、東南アジアでの接続性の回復を最優先課題とし、2025年にはインドや中国、ヨーロッパへの新規ルート開設を目指している。また、次世代技術の導入やターミナルの改修に30億Sドルを投資する計画で、パスポート不要の出入国手続きなどを推進する。
 
 アジアの航空需要が今後10年で大きく成長する中、チャンギ空港は競争力を維持するために革新と協力を重視している。

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