2025年1月22日
トゥアスでニシキヘビを救助、2人の男性が道路から排水溝へ誘導
シンガポール・トゥアスで1月19日未明、2人の男性が道路を横切るニシキヘビを排水溝に誘導し、車に轢かれるのを防ぐという珍しい出来事が起きた。
深夜1時頃、ホー・ソン・タイ氏と友人は車で移動中、道路上にある「ロードキル」(動物の交通事故死)と思われるものを目撃。確認のため引き返すと、それは生きたニシキヘビだった。ヘビは2車線にわたって横たわり、付近は大型車両の往来が激しい状況だったという。
安全への取り組み
ホー氏は、Instagramに投稿した映像で、「大型トラックが通る中、友人と協力してヘビを排水溝へ誘導した」と説明。彼らは環境学を学んだ経験を活かし、ヘビの生態に配慮しながら計画を立てた。
ニシキヘビは毒を持たないが、咬まれると感染症のリスクがあるため、直接触るのは避け、友人が足で優しく触れることでヘビを動かし始めたという。その後、ホー氏が身振りで誘導し、ヘビは無事に排水溝へと滑り込んだ。
人間と野生生物の共存
この出来事を通じ、ホー氏はシンガポールにおける「人間と野生生物の対立」について考えさせられたと述べた。「あと5分遅ければ、死んだヘビを見ていたかもしれない」と語り、都市化が進む中で野生動物が目撃される機会が増えていることを指摘した。
ニシキヘビはシンガポールの在来種で、都市部でのネズミの繁殖を抑えるなど重要な役割を果たしている。しかし、多くの人々はヘビを危険視し、場合によっては攻撃することもあるという。
ホー氏は「野生動物との共生のためには教育と意識向上が不可欠」と強調。排水溝はヘビの自然な生息地であることから、安易に恐れるのではなく、彼らの存在を理解する必要があると訴えた。
ヘビを見かけたら
シンガポールの動物保護団体ACRESによれば、ヘビは一般的に臆病で、挑発されたり追い詰められたりしない限り攻撃しない。もし近隣でヘビを見かけた場合は、落ち着いて距離を取り、必要に応じて専門機関に連絡することが推奨されている。