2025年1月15日
シンガポール、2026年までに10地区で歩行者・自転車優先の街づくりを推進
シンガポール陸上交通庁(LTA)は、2026年までにホランドビレッジを含む10地区で、歩行者や自転車利用者に優しい「フレンドリーストリート」を整備する計画を発表した。この取り組みは、マーケットやMRT駅、学校など地域の主要施設周辺をより安全かつ快適にすることを目的としている。
フレンドリーストリートの概要
対象地区にはホランドビレッジ、ベドック、ブアンコク、ブキットパンジャン、チョアチューカン、ジュロンイースト、ペクキオ、プンゴル、セムバワン、ティオンバルが含まれる。2025年上半期から段階的に工事を開始し、2026年までの完成を目指す。
新設される設備としては、障害物のない横断歩道、信号時間が長い「グリーンマン」信号、速度抑制用の道路ハンプ、緑色の路面標示、新しい道路標識などが含まれる。これらの変更により、自動車運転者が歩行者エリアに配慮するよう促す。
ホランドビレッジでは、ホランドアベニューとホランドドライブに新たな信号付き横断歩道や道路ハンプが設置される予定である。これにより、高齢者を含む歩行者がマーケットやMRT駅、コミュニティクラブへ安全にアクセスできるようになる。
居住者の反応と今後の展望
LTAによると、これらの地区や整備内容は地域住民や関係者と協議の上で選定された。ホランドドライブの住民であるウィリアム・タン氏とリー・タン夫人は、「現状の道路は自動車向けに作られており、歩行者の安全性が課題である」と述べた。
フレンドリーストリート計画は、2023年にアンモキオ、ブキットバトックウエスト、トアパヨ、ウェストコーストで行われた試験導入の成功を受けたものである。これらの地区では住民の9割が歩行や自転車利用が改善されたと回答している。2025年以降、全ての地区で同様の取り組みが進む予定である。
シンガポール全土の街路が歩行者と自転車に優しいものへと変わる未来が期待される。