2024年12月4日
マレーシア政府、シンガポールとの水料金見直しを求めず
マレーシア政府は、シンガポールとの間で締結された1962年のジョホール川水協定に基づく原水料金の見直しを求めない方針を明らかにした。この決定は、ジョホール州の産業成長が続く中、2030年以降も同州がシンガポールからの処理水供給に依存する可能性が高いと判断されたためである。
料金見直しがもたらす影響
アクマル・ナスルラ副エネルギー転換・水変革相は、料金の変更がシンガポールから購入する処理水のコストに影響を与える可能性があるため、慎重な対応が必要であると述べた。同州は現在、1日平均16百万ガロン(mgd)の処理水をシンガポールから輸入しており、これは協定で義務付けられている5 mgdを大幅に上回っている状況である。
ジョホール州の水事情と今後の計画
ジョホール州は2030年までにシンガポールからの処理水依存をゼロにすることを目指し、ジョホール川沿いの貯水池や新たな水処理施設の建設を進めている。しかし、半導体工場やデータセンターの増加が水需要を押し上げており、この目標達成は困難とされている。
経済的背景
シンガポールは、原水1,000ガロンあたり3セントでジョホール州から購入し、処理水を50セントで供給している。副大臣によれば、マレーシアが同量の処理水を自国内で生産する場合、コストは1.80リンギットに達するため、現行価格は経済的に有利であると説明している。
ジョホール州がマレーシアのテックハブとして成長を進める中、水資源や電力供給への負担が懸念されている。政府はジョホール州の自給体制が整うまで、現行の協定に基づく対応を維持する方針である。