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日系企業・社会

2024年11月26日

日本人向けの幼稚園元園長、教師給与虚偽申告で20週間の禁錮刑

 11月25日、日本人向けの幼稚園「このはな幼稚園」の元園長である毛利安孝氏(66歳)が、教師の給与を偽って雇用パスを取得した罪で20週間の禁錮刑を言い渡された。
 
 毛利氏は外国人労働者雇用法に基づく3件の罪状を認め、さらに8件の同様の罪状が量刑に考慮された。彼が経営していた幼稚園は2023年3月に閉園している。
 
 毛利氏は2015年から2021年の間、雇用パス申請に際し、5人の外国人従業員の給与を実際より高く申告した。この手法により、約29万Sドル(約2,150万円)の給与を節約した。
 
 雇用パスを取得するには、最低給与基準を満たす必要があるが、毛利氏は申告した給与を一度従業員の口座に振り込み、その一部を現金で返金させていた。従業員たちは毎月、申告された給与の16%から48%を毛利氏に返金していたという。
 
 裁判では、毛利氏が虚偽申告を隠すため、給与の全額を振り込むことで証拠書類を偽装しようとしたと指摘された。一方、弁護側は従業員が返金方法を自主的に選んだと主張したが、判事は雇用者と従業員の間の権力格差を考慮し、この主張を退けた。さらに、従業員が実際の給与条件を知った時点で、仕事を受け入れる以外の選択肢がなかった可能性を指摘した。
 
 判決において裁判官は、こうした行為が雇用市場の公平性を損ない、他の事業者にも悪影響を及ぼすと述べ、厳罰の必要性を強調した。
 
 虚偽申告の罪には、最長2年の禁錮刑、最大2万Sドル(約160万円)の罰金、またはその両方が科される可能性がある。

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