2024年11月19日
日本とシンガポール、滑走路安全強化で連携
日本とシンガポールの航空当局が、滑走路の安全性向上を目指し協力体制を強化する。今年1月に発生した東京・羽田空港での致命的な航空機衝突事故を受けた取り組みという。
11月18日に発表された声明によれば、シンガポール民間航空庁(CAAS)と日本航空局(JCAB)は、技術を活用して滑走路侵入事故の防止策を模索するとともに、航空会社、空港運営者、地上支援業者、航空管制サービス提供者などの関係者間の連携を強化する。
この協力は、11月14日と15日に日本の関西で開催された第3回シンガポール-日本航空協力対話で決定された。この中で羽田空港での事故が議題に上り、JCABがシンガポールの安全対策を参考にしたいと申し出たという。
羽田での事故では、到着した日本航空の旅客機が滑走路に入った海上保安庁機と衝突し、旅客機は炎上。乗客乗員379人は無事だったが、海上保安庁機の5人が亡くなった。
CAASは、自国のチャンギ空港とセレター空港における滑走路安全計画について「包括的かつ調整された方式」で安全性を確保していると述べ、今後もリスク低減策を随時見直していくとしている。
また、両国は航空路線の拡大やフライトの効率化、さらには持続可能な航空技術や航空革新分野での協力を深めることで合意した。例えば、パイロットがより直線的なルートを選べる「ユーザー優先ルーティング」の活用や、国際航空ラボへの成田空港の参加などが挙げられる。
シンガポールと日本の航空当局は、アジア太平洋地域の主要ハブとして、専門知識を共有し、航空需要の増加に対応する意欲を示している。