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経済

2023年10月26日

水素をパイプライン輸入へ、2社が検討

 パイプラインを通じた水素輸入について2社がそれぞれ検討する。政府系複合企業のセムコープ・インダストリーズは24日、インドネシアでの水素生産とシンガポールへの輸出に向けた事業化調査を行うことで、同国の国営電力PLNと合意書を締結。一方、都市ガス会社のシティーエナジーは同日、マレーシアから輸入するためのパイプライン建設に向けた調査の実施について同国国営石油系の企業と合意書を交わした。
 
 セムコープとPLNは、再生可能エネルギー由来のグリーン水素をインドネシアで生産し、海底パイプラインを通じてシンガポールに輸出する事業の実現可能性を調査する。グリーン水素の年産能力は10万トンを想定している。
 
 セムコープのウォン・キムイン社長兼最高経営責任者(CEO)は、水素は天然ガスに代わる発電燃料として最も有望であると指摘。PLNと共同で供給網を整備し、シンガポールの電力部門の脱炭素化を後押しすると述べた。
 
 一方、シティーエナジーは、マレーシア国営石油ペトロナスの傘下でクリーンエネルギー事業を手掛けるジェンタリと提携する。今後12カ月にわたって両国間のパイプライン建設に向けた調査を実施。基本設計(FEED)契約の締結に向けて方向性を決める。
 
 両社は今年4月、調査の実施について覚書を交わしていた。シティーは輸入した水素をシンガポール北部の工場での都市ガス生産に利用する。ジェンタリは年120万トンのクリーン水素生産を目指している。

 

(提供:亜州ビジネスASEAN

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