2023年10月16日
2024年度予算案発表、歳出規模は3938億リンギに拡大
アンワル・イブラヒム首相(兼財務相)は13日、下院議会に2024年度(2024年1月1日ー12月31日)予算案を提出した。
予算案のテーマは「経済改革と国民のエンパワーメント」で、▽サービスの迅速性のための最良のガバナンス▽成長を加速させるための経済改革▽国民生活水準の向上ーーの3つに注力する。
来年の国内総生産(GDP)成長率が4ー5%になるとの予想から、予算規模はGDPの19.9%に相当する3,938億リンギとし、今年度の3,881億リンギを上回った。
歳入予想は3,076億リンギで、今年度の3,032億リンギを上回る見込み。財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は2022年の5.6%、2023年の5%を下回る4.3%にとどまる見通しだ。
一般歳出は全体の77.1%を占める3,038億リンギで、今年度の2,891億リンギを上回った。省庁別では教育省が587億リンギで最も多く、保健省が412億リンギで続いた。一方、開発予算は900億リンギで、今年度の990億リンギを下回った。
対象を絞った補助金制度は、来年度から段階的に導入する。補助金合理化による余剰金はラーマ(慈悲)現金援助制度に基づく現金給付予算の増額に当てる。
サービス税を6%から8%に引き上げる。ただし食品・飲料・通信は対象から除外する。
非上場企業株売却におけるキャピタルゲイン税10%を2024年3月1日から実施する。また宝飾品や高級腕時計など一部の高額商品を対象に、5ー10%の贅沢税を課税する。
電子インボイス制度を、年間売り上げ1億リンギ超の会社を対象に、2024年8月1日から義務化する。1億リンギ以下の企業に対しても、2025年7月1日までに段階的に義務化する。
再投資税優遇措置を、70%または100%の再投資税控除の形で「階層化」ベースで実施する。
電動バイクの普及を目指し、年収12万リンギ以下を対象に2,500リンギの補助を行う。また充電施設の使用料につき、4年間で最大2,500リンギを所得税控除とする。ネットメータリング(NEM、太陽光発電と消費電力を相殺する仕組み)を2024年12月31日まで延長する。
社会保障機構(SOCSO)制度における、対象給与の上限を6,000リンギに引き上げる。
グローバル・ミニマム課税(GMT)については、2025年に導入する予定。連結売上高7億5,000万ユーロの多国籍企業(MNC)に対し事業を行う場所で15%課税するというもので、税逃れを防ぐ狙いがある。
2021年10月に大幅に厳格化された、外国人の長期滞在を奨励するマレーシア・マイ・セカンド・ホーム(MM2H)プログラムについては見直しを行う。
東マレーシア向け開発予算をサラワク州に58億リンギ、サバ州に66億リンギをそれぞれ割り当てる。
(提供:ASIA INFONET.COM)