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社会

2023年4月21日

アフリカ豚コレラ検出、インドネシアからの豚輸入を停止

 インドネシアのPulau Bulanからシンガポールに運ばれた生きた豚が、アフリカ豚コレラ(ASF)に感染していたことが判明した。
 
 このウイルスは、シンガポールの屠殺場(食用にする動物を屠殺するジュロンの施設)で豚の死骸から検出されたと、シンガポール食品庁(SFA)が4月20日(木)に発表した。
 
 この豚の病気は、人間には感染しないが、イノシシや豚の間で強い感染力を持つという。
 
 SFAは、シンガポールの豚肉総供給量の約15%を占めるPulau Bulanからの生きた豚の輸入を停止し、インドネシアの農場での調査を実施している。現在の状況では、今週の日曜日以降、新鮮な豚肉の供給に一時的な混乱が生じる可能性があると述べた。
 
 一方、同庁は、オーストラリア、ブラジル、その他の国々からの冷凍・冷蔵豚肉の供給を増やすために、業界と協力して取り組む予定という。
 
 シンガポールは、マレーシアのサラワク州からの生きた豚や、オーストラリア、ブラジル、その他の国々からの冷凍・冷蔵豚肉を含め、20を超える場所から豚肉を輸入している。
 
 SFAは、消費者は様々な種類の食品をさまざまな供給源から選び、冷凍または冷蔵豚肉やその他のタンパク質オプションなど、他の形式の肉を選ぶことができる。責任を持って購入し、買いだめなどしなければ、誰にも十分な供給があると述べた。
 
 SFAはまた、屠殺場と協力して、バイオセキュリティ対策を維持し、そこで豚が屠殺された後、その敷地と周辺環境を衛生的に保つようにしている。
 
 ASFは人間に影響を与えるものではなく、食品安全上の懸念もないため、シンガポールで入手できる豚肉は引き続き安全に食用に供される。
 
 同庁は、病気ではなく、SFAの検査に合格した豚肉は食べることができる。SFAと国立公園局のクラスターである動物と獣医サービスは、状況を引き続き密接に監視し続けると述べた。
 
 シンガポールの豚、豚肉、豚肉製品の輸入条件は、科学に基づいており、世界動物衛生機関のガイドラインや標準を参考にしているという。
 
 SFAは、シンガポールに豚の生肉を輸出する地域に対し、感染した豚の生肉から感染する可能性のあるウイルスを保有していないことを求めているが、ASF感染地域からの豚肉加工品は、ウイルスを不活性化するための熱処理が施されていれば、輸入・販売が許可されていると述べている。
 
 今年2月、シンガポールでは、島北西部のイノシシの死骸から検出されたASFの最初の症例が確認された。
 
 2018年にアジア太平洋地域に到来したこの感染性の高い病気は、拡散を抑えるために何百万頭もの豚を殺処分することを余儀なくされている。
 
 これまでに、シンガポールで18頭の野生のイノシシがASFに感染していることが判明しているという。

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