シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポールのPayNowユーザー、インド送金が可能に

金融

2023年2月21日

シンガポールのPayNowユーザー、インド送金が可能に

 PayNow利用者のうち、特定の金融機関では、リアルタイムで、インド国内の口座に送金することができるようになる。
 
 これは、PayNowとインドのUnited Payments Interface(UPI)との連携で国を越えた決済のためのインフラを強化する取り組みの一環として、開始された。
 
 2021年9月に将来的に取り組んでいくと発表されたこの機能は、シンガポール最大の銀行DBSとフィンテック企業Liquid Groupの一部の顧客に対して、3月末日まで、対象ユーザーと取引限度額を拡大して、段階的に提供していく予定という。
 
 DBSとPOSBの一部の顧客は、PayNow-UPI連携を利用して、1回につき200Sドル(約2万円)、1日500Sドル(約5万円)を上限として送金をすることができるようになる。
 
 また同行の全顧客に、1日1,000Sドル(約10万円)までの送金サービスが3月31日までに使用可能になるという。
 
 アクシス銀行、DBSインド、ICICI銀行、インド銀行、インド海外銀行、インドステイト銀行の顧客は、このサービスを通じて資金を受け取ることができるようになるが、送金は当面、ICICI銀行、インド銀行、インド海外銀行、インドステイト銀行の顧客に限定し、順次範囲を拡大する予定である。
 
 シンガポール金融管理局(Monetary Authority of Singapore)は2月12日(日)、この連携は、顧客に安全でシンプルかつコスト効率の高い国を越えた資金移動の方法を提供することが出来ると述べた。
 
 参加金融機関の顧客は、携帯電話番号、UPI ID、VPA(Virtual Payment Address)だけで、銀行口座と電子財布の間で資金の送受信を行うことができる。
 
 DBSのシンガポール代表Shee Tse Koon氏は、インドはDBSの海外送金における最大の市場の一つであり、今回の提携によって、中小企業や小売業の顧客、そして特に出稼ぎ労働者の人たちにとって、国に送金するための便利なオプションが一つ増えたということで、このように当社の中小企業向け決済ソリューションの幅が広がることは喜ばしいことだと述べた。
 
 送金手数料がかからずに海外送金ができる同行のサービス「DBSレミット」で、出稼ぎ労働者が送金した総額は2022年に2021年比で25%増加、新規顧客数も63%急増した。
 
 PayNowとUPIの連携は、将来の送金量の増加に対応できるスケーラブルなクラウドベースのインフラを採用した世界初のリアルタイム決済システム連携で、ノンバンクの金融機関が参加する初めての形となる。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポールのPayNowユーザー、インド送金が可能に