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社会

2023年2月15日

2022年、高齢歩行者の交通事故が増加

 2022年に交通事故で死亡した高齢歩行者は23人で、2021年の15人から53.3%増加した。また、歩行者事故で負傷した60歳以上の高齢者の数も、2021年の193人から2022年には213人に増加したと交通警察(TP)が2月14日(火)、年次統計報告書で発表した。
 
 2022年の交通事故による死者は108人で、2021年の107人を上回った。TPは、2022年の歩行者関連の死亡事故の70%が60歳以上で73.9%が信号無視が主な原因であった。
 
 TPの司令官であるジェラルド・リム氏は、高齢歩行者は、自分がとても速く道路を横断できると思い込んでいるのかもしれないが残念ながら、機動力は鈍化しているいう。
 
 全体として、交通事故による負傷者の数も2021年の7,240人から2022年には8,252人と増加したが、2019年に比べれば低い数字である。
 
 シティー・ハイラ・バトラ副管理人は、高齢歩行者とオートバイが依然として事故の多くを占めていると述べた。
 
 TPの死亡事故調査チームの担当者は、歩行者には、横断歩道やゼブラゾーンを利用する場合でも、道路を渡る前に交通状況を確認するなどの注意が必要であると付け加えた。
 
 警察は、飲酒運転事故が2021年の155件に対し、2022年は170件で増加していると発表した。2022年の飲酒運転事故による死者は10人で、2021年の8人を上回った。
 
 また、飲酒運転で摘発された人数は、2021年の1,453人から2022年の1,685人と16%増加したという。
 
 良い傾向としては、信号無視する運転者が減ったことで、2021年の4万4,745件から2022年には4万3,697件と2.3%減少している。信号無視による事故も2021年の136件から2022年には132件と減少している。
 
 しかし、スピード違反による事故は2021年の984件から2022年には1,124件と14.2%増加した。
 
 警察は、信号無視、スピード違反、飲酒運転などの交通規則を無視した運転者は、法廷で起訴される可能性がある。また死傷事故を起こした場合は、懲役または運転資格剥奪に直面する可能性があると述べた。
 
 2022年の交通事故のうち、二輪車と同乗者の事故は56.1%で、3,854件と2021年の3,464件から増加した。負傷者は、2021年の3,693人から2022年には4,165人と多くなっている。死亡者は、2022年が47人で、2021年よりも3人少ない。
 
 警察は2023年に、自動車運転者が最新の交通標識やルールを身につけるためのオンライン模擬理論試験を開始する予定である。
 
 新しく導入されたルールとして、2022年1月1日からは、自転車が5台以下のグループにならないようにする。また、制限速度が30km/h~40km/hのシルバーゾーンも2014年に導入されたばかりである。
 
 TPは、オンライン模擬理論試験は、すべての運転者が運転するために必要な要件を反映すると述べた。
 
 受講者は各セッションの終了時に解答を確認することができ、Singpassを通じて無料テストにアクセスすることができる。
 
 ジェラルド・リム氏は、交通事故を減らすためには、取締りだけでは不十分だと思う。取り締まりを補完する継続的な教育と関与が必要で、それによってすべての道路利用者に責任感と寛容さを身に付けてもらうことであると述べた。

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