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社会

2023年1月4日

高所から転落した労働者の件、建設会社に罰金を科す

 建設会社ECビルダーズは、作業現場で従業員を適切に監督せず、後に高所から転落して外傷性脳損傷を負ったとして、労働安全衛生法に基づき17万Sドル(約1,652万円)の罰金を課された。
 
 シンガポール労働省(MOM)が1月4日(水)に発表したところによると、この従業員、アリ・モハマド・ソハグ氏は建設作業員として雇われていた。
 
 事件は2019年8月1日、タンピネス・ロードの作業現場で、監督者がアリ氏に命綱の点検と締め付けを指示した後に発生した。
 
 年齢や国籍はMOMによって明らかにされていないが、この作業員は指示を実行するために型枠構造物に設置された鉄棒の上を歩いていたが、彼は命綱に固定されていなかったと同省は述べている。
 
 アリ氏は歩行中に足を滑らせ、4階建てに相当する12mの高さから落下、チャンギ総合病院に運ばれ、外傷性脳損傷と診断された。
 
 MOMの調査によると、同社はアリ氏に命綱を取り付けるための適切な訓練と指示を与えることを怠り、アリ氏が高所で命綱を締める際に適切な監督を受けることを保証していなかったという。
 
 また、同社が命綱の取り付けに関する危険性、およびこの作業活動がもたらす安全衛生上のリスクを適切に考慮しなかったと認定した。
 
 ECビルダーのケースでは、基本的な安全対策と安全基準や要件の尊重が欠けていた。その結果、作業員が重傷を負った。また、安全な職場環境を提供することは、すべての雇用者の基本的な責任であるとMOMは述べている。
 
 雇用主は、特に死亡や大きな怪我につながるようなリスクを軽減するために、安全な作業手段を確保しなければならない。また、労働者は自分自身や同僚に気を配る必要があると同省は述べている。
 
 2022年の労働災害死亡原因の上位に「高所からの落下」が入っている。この年は46人の労働災害死亡者が発生し、66人が死亡した2016年以降で最多を記録したという。
 

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