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経済

2023年1月3日

パートタイマーの給与、規制緩和に伴い、Covid-19以前の水準より高くなる

 年末は、旅行やイベントが本格的に復活したこともあり、Covid-19が流行する前のここ数年よりもパートタイム需要が高いようである。
 
 厳しい人材獲得競争とインフレ率の高騰により、2022年のパートタイマーの給与は、2021年と比較して平均で最大3分の1まで上昇した。
 
 求人ポータルサイトや人材紹介会社によると、特に小売、飲食(F&B)、イベント、接客、物流などの分野で、季節的な高騰に対応するため、パートタイムの求人数が大幅に増加したという。
 
 人材紹介会社のリクルート・ファーストは、10月以降に60%以上の急増を記録したことを挙げている。
 
 求人情報サイトWorkClassは、閑散期に比べ、11月と12月に輸送と物流の仕事のパートタイマーの需要がそれぞれ55%と62%増加したと述べる。
 
 2022年10月からパートタイムの求人がブームになっただけでなく、2021年や大流行前の2019年と比較して、2022年のイベント期間にはより募集人数が急増した。
 
 ジョブストリート・シンガポールは、2022年の10月から1ヵ月早くパートタイマーの採用を開始した企業が、前年に比べて増えたと指摘している。
 
 同じくポータルサイトのFastJobsでは、2022年第4四半期にパートタイムの求人情報が2021年の同時期と比較して3分の1近く増加していることがわかった。
 
 また、パンデミック発生前の2019年最終四半期と比較すると、2022年の同時期に掲載されたパートタイムの数は70%以上と急増しているとのことである。
 
 Institute of Policy Studiesのシニアリサーチフェローであるファイザル・ヤヒヤ氏は、いくつかの分野では、年末のイベントシーズンに外国人従業員が休暇を取り、その穴を埋めるために企業が多くのパートタイマーを必要とした可能性があると指摘した。
 
 シンガポール国立大学の労働経済学者ケルビン・シー氏は、2021年の祝祭シーズンに比べ、Covid-19の規制は大幅に解除された。外食が増え、買い物が増え、外出が増えるので、シンガポールでのビジネス活動が活発になっている。モノやサービスの需要が高まり、その結果、パートタイム労働者が増えていると述べた。
 
 物流会社J&Tエクスプレスのセールス&マーケティング・ディレクター、アリス・イェン氏は、パンデミックの期間中、オンラインショッピングの台頭が宅配サービスの需要増につながり、人手不足を深刻化させたという。
 
 11月11日、ブラックフライデー、12月12日、クリスマス、元旦などのショッピング期間に急増する需要に対応するため、同社では通常、11月から12月にかけて倉庫係や運転手などの人員を増員している。2022年のイベントシーズンには、通常期と比較して40%以上多くのパートタイマーを採用した。昨年のショッピングフェスタでは、パートタイマーが全従業員の約30%を占めていたという。
 
 
 

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