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政治

2022年11月9日

シンガポールにおけるワクチン最新情報

 11月4日、シンガポール保健省(MOH)は、ワクチン追加接種等について以下の通り公表した。
 

一次防衛としてのワクチン接種

 関係省庁タスクフォース(MTF)は、オミクロンXBB亜種(BA.2.75亜種とBA.2.10亜種の組み換え株)による最近の感染者数の再度増加を注視してきた。現在、世界的に複数の亜種が流行しており、新たな変異株が形成される可能性もある。海外渡航の回復に伴い、感染力の強い新しい変異株が十分な事前の予告なしにシンガポールに入り、流行する可能性が懸念されている。このような状況から、COVID-19ウイルスの今後の進化に備え、防衛を強化し、いざというときに迅速に対応できるよう事前に準備しておくことが重要だ。
 
 シンガポールには3つの防衛線があるとMOHは言う。第一の防衛線は、COVID-19のワクチン接種を常に最新の状態に保つことだ。シンガポールは高いワクチン接種率により、これまで重症患者や死亡者数を他の多くの国よりもはるかに低く抑えることができた。COVID-19の新しい変異株が出現し続けているため、対象者には追加接種として二価ワクチンを接種し、引き続きCOVID-19に対する十分な防御力を確保することを推奨している。
 
 50歳以上の個人と医療従事者は、それぞれ重症化とCOVID-19への曝露のリスクが高いため、二価ワクチンの追加接種を優先的に実施した。モデルナ/スパイバックス二価ワクチンのオリジナル/オミクロンBA.1 は、展開以来、良好な接種状況が続いている。2022年11月2日現在、65,000人以上が二価ワクチンの接種を受けたか、予約を取っている。
 

二価ワクチンブースターの若年層への拡大について

 2022年11月7日から、18歳から49歳の対象者に二価ワクチンの追加接種が順次案内される。特に、まだ最低限の防御(初期接種)を完了していない場合は、できるだけ早く完了することが推奨される。対象者には、SMSで予約リンクが送られ、共同検査・ワクチン接種センター(JTVC)のいずれかに予約を入れることができる。まず、40歳から49歳を対象に初期段階を開始し、その後徐々に低年齢層へ移行していく予定。SMSが全員に届くのは2週間ほどかかる場合がある。JTVCの混雑を避けるため、予約なし(ウォークイン)での来場は50歳以上の方と医療従事者の方のみ。最寄りのJTVCの所在地と営業時間については、こちらを参照のこと。
 
 ファイザー・ビオンテック/コミナティの二価ワクチンオリジナル・オミクロンBA.4/5 は、最近、12歳以上の個人への使用が承認された。供給は年末になる見込みで、詳細は後日発表される。子供を含む個人は、適時の保護を確実にするため、推奨されるCOVID-19ワクチンを接種できるようになったらすぐに受けることが推奨される。いつ利用可能になるか分からない特定のワクチンを待って接種が遅れることがないようにと、MOHは呼びかけている。
 

最新のワクチン接種

 今回の延長により、18歳以上のすべての成人は、COVID-19の接種を常に最新の状態に保つようにする必要がある。つまり、最低限の防御(初期接種)を達成した後、前回の接種から5ヶ月から1年の間に追加でブースター接種を受ける必要があるということだ。その際、最新の二価ワクチンの接種が推奨される。COVID-19の接種が最新であるとみなされるのは、少なくとも最低限の防御を受けており、最後のワクチン投与が過去1年以内に行われた場合である。最新の定義を満たすためのワクチン接種の推奨は、こちらを参照のこと。
 

ブースター接種が可能なシノバック・コロナバック

 2022年10月7日以降、18歳以上は、医学的にmRNAワクチン又はノババックス/ヌバキソビッドワクチンを接種することができないという証明がない場合でも、ブースターとしてシノバック・コロナバックを接種することができるようになった。これは、シノバック・コロナバックを3回接種した場合に、4回目の接種でCOVID-19に対する最低限の防御を達成するための措置である。ただし、より優れた防御のためには、最新の二価ワクチンであるモデルナ/スパイバックス、ファイザー・ビオンテック/コミナティ、ノババックス/ヌバキソビッドの接種が推奨される。
 

早期発見のための定期的な自己検査

 第二の防衛線は、早期の発見・隔離のための日常的な自己検査である。特に、体調が悪いとき、海外旅行から帰ってきたとき、高齢者など弱い立場にある人を訪問する前などに行う自己検査が重要だという。
 
 再感染がより一般的になっているため、前回の感染から28日以降に咳、喉の痛み、鼻水、発熱などの症状が出た人は、COVID-19の検査を行うことが求められる。陽性と判定された場合は、プロトコルに従う。リスクの高い人(例:高齢者、免疫不全者)、または症状が重い人は、医師の診察を受けること。軽度の症状(発熱、咳、咽頭痛など)を有する低リスク者は、自宅療養中に気になる徴候や症状がないか、引き続き注意深く観察する必要がある。症状が悪化した場合は、かかりつけの医師を受診する。一般の人は、緊急事態が発生した場合のみ、救急外来(ED)を受診するようにとMOHは呼びかけている。また、陰性でも体調が悪い場合は、インフルエンザなど他の呼吸器系ウイルスが原因である可能性もあるため、社会的な交流を控えること。
 
 シンガポール国民に自己検査を奨励するため、MTFは抗原迅速検査(ART)キットの第4回配布を実施する。各家庭に12個のARTキットが配布され、2022年11月21日から配達が開始される予定。ホリデーシーズンのピーク時であり、ARTキットの配送が集中するため、一部の世帯ではキットの受け取りが遅くなる可能性がある。なお、ARTキットは小売店でも購入することができる。
 
 政府は、保健省が提供する以上の数のARTキットを必要とする低所得世帯を引き続き支援する。Social Service OfficeやFamily Service Centreの利用者は、これらの場所で引き続き追加のARTキットを要望することができる。MOHはまた、教育省(MOE)および幼児育成庁(ECDA)と協力し、低所得世帯の生徒に追加のARTキットを提供する予定。これらのARTキットの提供に関する詳細については、後日、生徒や保護者に別途通知される。
 

地域社会を守るための個人的責任の遂行

 第三の防衛線は、個人的・社会的責任を実践することだ。COVID-19とともに生きるということは、時折、新たな変異株による患者の再増加に慣れなければならないことを意味する。例えば、ワクチン接種を最新のものにし、必要な検査を行い、個人の衛生状態を保つなど、自分自身や自分の大切な人の安全を守るために適切な措置をとらなければならない。
 

提供:在シンガポール日本国大使館

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