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政治

2022年10月11日

シンガポールにおけるワクチン最新情報

 10月7日、シンガポール保健省(MOH)は、安全管理措置の緩和とワクチン接種について下記の通り公表した。
 

ワクチン接種状況に応じた安全管理措置(VDS)の解除

 シンガポールは何度かの感染の波を乗り越え、SMMsを段階的に解除することで、COVID-19ウイルスとの付き合い方を学んできた。日常生活を平常に戻すにあたり、2022年10月10日からVDSが完全に解除される。これにより、(i)一度に500人以上が参加するイベント、(ii)客同士のダンスが目的の1つであるナイトライフ施設、(iii)ホーカーセンターを含む飲食店でのダイニングインはVDSが不要となる。
 
 VDSは、感染リスクの高い環境にさらされる機会を減らすことでワクチン未接種者を保護し、国民全体のワクチン接種や感染率がまだ十分に高くない時期に医療制度に負担がかからないようにし、安全な再開への道のりに大いに役立っている。しかし、VDSが解除されても、非完全な接種者は依然として重症化するリスクが高いままだ。MOHはこのような人に対し、ワクチン接種あるいは引き続き予防策を講じ、社会との関わりを少なくすることで、自身の身を守るよう呼び掛けている。
 
 現時点でほとんどのSMMsが緩和されているが(参照)、引き続き警戒を怠らず、危険な変異株に対応できるようにしなければならない。状況が悪化した場合、国民を守り、医療従事者を保護し、病院のキャパシティを確保するために、急遽、必要な措置を講じる必要が生じる可能性がある。これには、パンデミックの最盛期に必要かつ適切であったレベルのVDSを立ち上げることも含まれる。
 

小児用ワクチン接種

 子どもたちが最低限の防疫措置を獲得し、最新のワクチン接種を受けることができるよう、保健省(MOH)は2022年10月25日から以下を展開する予定。
 a. 生後6ヵ月から4歳までの小児が、モデルナ/スパイクバックスワクチンで初期接種を受けること
 b. 5歳~11歳の小児が、ファイザー・バイオテック/コミナティワクチンのブースター接種を受けること
 

生後6ヵ月から4歳までの小児への初期接種について

 MOHは、COVID-19ワクチン接種に関する専門家委員会(EC19V)の勧告を受け入れ、生後6カ月以上の小児にCOVID-19を接種することを決定した。保健科学庁(HSA)が6ヵ月から5歳までの小児に使用するモデルナ/スパイクバックスワクチンを認可したことを受け、EC19Vはこの年齢層への初期接種に同ワクチンを推奨している。生後6ヵ月から5歳までのモデルナ/スパイクバックスワクチンの推奨用量は、25マイクログラムずつを8週間間隔で2回接種する。また、ファイザー・ビオンテック/コミナティのワクチン(生後6ヵ月から4歳までの3回接種)も承認されており、現在納入を待っている状況だ。年内には接種が可能となる予定。
 
 臨床データでは、幼児におけるCOVID-19の重症化リスクは一般的に非常に低いものの、それでも年長児と比較して入院のリスクは高く、重症化する可能性もあることが示されている。EC19Vは、本ワクチンの研究に基づき、モデナ/スパイクバックスワクチンが生後6ヵ月から5歳までの小児の重症COVID-19に対して有効であると評価。BA.2.75及びBA.2.10亜種の流行が続いており、将来COVID-19の変異株が発生する可能性があるため、この対策は重要であると言われている。
 
 生後6か月から4歳までの小児の予防接種は、2022年10月25日に開始される。2022年10月18日より、生後6ヵ月から4歳までの小児の保護者は、 https://child.vaccine.gov.sgから、子ども又は被後見人がモデルナ/スパイクバックスの予防接種を受ける予定があると登録することができる(登録方法と小児用予防接種指定医療機関一覧の詳細についてはこちらを参照)。5歳児は、すでに実施されている5歳から11歳までの予防接種プログラムに従う。
 
 COVID-19以外のワクチンを接種している小児は、他のワクチンの前後14日以上の間隔を空けてCOVID-19ワクチンを接種することが推奨される。
 

ブースターワクチン接種プログラムの5歳から11歳の小児への拡大

 保健省(MOH)は、EC19Vが現時点で5歳から11歳の小児に唯一推奨しているCOVID-19ワクチンであるファイザー・ビオンテック/コミナティのブースター接種も受け入れる。
 
 国内外のデータから、5歳から11歳の小児では、青少年や成人と同様に、抗体レベルやCOVID-19による入院に対するワクチン保護効果が時間の経過とともに低下することが示されている。ファイザー・ビオンテック/コミナティのブースターは、重症化に対する予防を持続させるのに有用だ。副作用は一般に軽度で、最初の2回の投与によるものと同様。したがって、EC19Vは、5歳から11歳のすべての小児は、2回目の接種後5ヵ月以降にファイザー・ビオンテック/コミナティのブースター接種を受けることを推奨される。
 
 5歳から11歳の小児のブースター接種は、2022年10月25日から開始される予定。5歳から11歳の対象小児の保護者はSMS通知を受信し、提供される個人用予約リンクから子ども又は被後見人のファイザー・ビオンテック/コミナティのブースター接種を予約することができる。(登録手順の詳細についてはこちら を参照)。

 

小児用予防接種指定医療機関

 2022年10月25日以降、小児へのワクチン接種を促進するため、5歳から11歳向けのファイザー・ビオンテック/コミナティ、6ヵ月~4歳向けのモデルナ/スパイクバックスのワクチンを提供する5つの指定接種センター(VC)が営業を開始する。所在地は以下の通り。
 
 ・One Punggol
 ・Our Tampines Hub
 ・Queenstown Community Centre
 ・Sembawang Community Club
 ・Taman Jurong Community Club
 
 これらのVCには、小児の予防接種のトレーニングを受けたスタッフが常駐する。3つのポリクリニックは6ヵ月から4歳まで、4つのポリクリニックは5歳から11歳までの予防接種をサポート。また、一部のPHPC(Public Health Preparedness Clinics)もワクチン接種プログラムをサポートする予定だ。

 

小児の予防接種会場のリスト
保護者は https://www.gowhere.gov.sg/vaccineで、地区に一番近い予防接種会場を探すこともできる。

 MOHはまた、特別教育(SPED)学校と幼児開発庁(ECDA)の資金提供による乳幼児早期介入プログラム(EIPIC)センターで5歳から11歳の子どもたちに初期接種とブースター接種を行うために移動接種チームを配備する。SPED学校とEIPICセンターの対象児童は、それぞれ2022年10月25日と11月28日から、この移動接種チームを通じて予防接種を受けることができる。
 
 モデルナ/スパイクバックス及びファイザー・ビオンテック/コミナティのワクチンが医学的に適合しない3歳以上には、専用の公衆衛生プログラムの下でシノバック・コロナバックワクチンが提供される予定。公衆衛生プログラムの参加者は、訓練を受けた医療従事者によって綿密に監視される。MOHは、対象者に詳細な指示を連絡する。
 

最新のワクチン接種と二価ワクチンの定義

 これまでの接種回数の追跡から、MOHは「最新のワクチン接種」の定義体制に移行する予定。この体制では、誰もが最新の予防接種の推奨事項を把握しておく必要があるという。個人は、以下の2つの重要な推奨事項を遵守することが推奨される。
 
 a. 5歳以上の個人は、mRNAワクチンまたはノババックス/ヌバキソビッドを3回、又はシノバック・コロナバックを4回接種し、最低限の防疫措置を達成する必要がある。
 b. 最低限の防疫措置を達成した後、50歳以上の人は、COVID-19の接種を最新の状態に保つために、前回の接種から5ヵ月から1年の間に追加のブースター接種を受ける必要がある。その際、最新の二価ワクチンの接種が推奨される。COVID-19の予防接種を受けた人は、少なくとも最低限の防疫力を達成し、最後のワクチン投与が過去1年以内に行われた場合、ワクチン接種状況が更新されているとみなされる。
 

現在のmRNAワクチンに代わる二価ワクチン

 COVID-19ワクチン接種に関する専門家委員会(EC19V)は、現在のワクチンに代わる二価COVID-19ワクチンの使用を推奨している。この最新の二価ワクチンにより、新しいCOVID-19変異株に対するより高い防疫能力を獲得できるという。MOHは2022年10月17日から、18歳以上のすべての成人を対象に、モデルナ/スパイクバックスワクチンを用いたすべての予防接種において、元来のモデルナ/スパイクバックスワクチンを、最新の二価ワクチンと置き換える。
 
 したがって、50歳以上又は最低限の防疫措置を達成していない場合は、COVID-19感染による重症化のリスクが高いため、二価ワクチンを接種する必要がある。50歳以上又は最低限の防疫措置に達成していない対象者は、2022年10月17日以降、モデルナ/スパイクバックスワクチンを提供する共同検査・接種センター(JTVC)にて、二価ワクチンの接種を受けることができる。最寄りのJTVCの所在地は、https://www.gowhere.gov.sg/vaccine を参照のこと。
 
 ファイザー/コミナティの二価ワクチンは現在審査中であり、今年度中には入手できる見込み。
 

シノバック・コロナバック、ブースターワクチン接種を許可

 18歳以で、シノバック・コロナバックを3回接種しているにもかかわらず、まだブースターを接種していない例について、MOHは「最低限の防疫力が得られておらず、懸念の対象」としている。
 
 当地データによると、mRNAワクチン2回接種と比較して、シノバック・コロナバック3回接種の方が重症化に対する予防効果があり、ワクチン効果は70%であることが示されている(mRNAワクチン3回接種のワクチン効果が80%以上)。より高い予防効果を得るために、シノバック・コロナバックを3回だけ接種した場合は、最新のモデルナ/スパイクバックス二価ワクチン、あるいはファイザー・ビオンテック/コミナティやノババックス/ヌバキソビッドワクチンの接種が強く推奨される。シノバック・コロナバックは、今回、mRNAやノババックス/ヌバキソビットワクチンの医学的不適合の証明は必要なく、ブースター接種としても認められ、そのように認められなければブースター接種を受けない方に最低限のブースター接種を勧奨するという。
 

提供:在シンガポール日本国大使館

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