航空会社による採用強化で数百人が入社

　航空輸送量のさらなる回復に備え、チャンギ空港のグランドハンドラ-であるSats社が採用を強化しているため、当初の600人の求人の大半が埋まっているという。
 
　チャンギ空港のメイングランドハンドラーであるSatsは、旅客業務や食事作りをサポートする労働者などを雇用してきた。他の企業、dnata、Certis、Scootも、最近のキャリアフェアからの応募を処理して、何百人もの労働者を雇用している最中である。
 
　この数ヵ月、他の空港で長蛇の列やフライトのキャンセルを引き起こした人手不足を回避するために、空港は従業員の増員を推進している。シンガポールでは、完全な回復にはまだ時間がかかるものの、航空旅行者と観光客の数はCovid-19の流行開始以来最高となっている。
 
　Satsのチーフ・ヒューマン・キャピタル・オフィサーリリアン・タン氏は、航空業界の発展に伴い、新たな職務が発生する可能性がある。Satsは、競争力のある給与や業績に応じた報酬などのインセンティブで、新しい労働者を引き付け、既存の労働者を維持することを目指している。カスタマーサービスやフライトコントローラーの訓練生など、いくつかの職種を現在も募集している。また、入社祝い金として5,000Sドル（約48万4,000円）が支給される職種もあると述べた。
 
　航空部門は、年末までにパンデミック前の85％から90％の労働力を回復すると予想されている。パンデミック時に3万5,000人以上の労働者の3分の1を失っていた。
 
　チー・ホン・タット上級国務大臣は、5月27日と28日に開催されたOneAviation Careers就職フェアで、雇用主は約2,000人の欠員をすぐに埋めたいと考えていると発言した。また、21社が参加したこのフェアは、航空業界全体の採用活動の最初のものになるだろうとも述べている。
 
　チャンギ空港のグランドハンドラ-であるdnataによると、キャリアフェアでは300人以上の候補者が同社での就業を希望している。dnataシンガポールのマネージングディレクターであるムスダリファ・アブドゥラ氏によると、同社は現在、応募書類の審査、候補者の面接、内定を進めている最中とのことである。
 
　また、dnata社はラウンジ・サービス・エージェントや品質保証の専門家など、事業全体で約200名の新入社員を採用・訓練する予定で、一部の職種では、2週間のトレーニングの後、業務に参加することができるようになる予定という。
 
　シンガポール民間航空局は6月16日（木）、このイベントには約1万1,000人の求職者と航空ファンが集まったと発表した。広報担当者によると、参加企業は現在、応募書類を評価し、候補者を絞り込んでいる最中だという。
 
　サーティス・アビエーション・セキュリティの責任者であるアンディ・タン氏は、先月の航空業界向けキャリアフェアの後、さまざまな職種の候補者約100人を絞り込んでいると述べた。サーティスは、司令部サポート担当や補助警察官など、さまざまな職種で500人以上の空席を用意している。
 
　サーティスへの就職を希望する人は、コモンウェルスレインにある採用センターで、営業時間内に応募することができるという。
 
　航空会社も運航再開に合わせ、客室乗務員の採用を行っている。
 
　シンガポール航空（SIA）は先月、来年3月までに2,000人の客室乗務員を採用すると発表して、これまでに800人以上が採用されている。
 
　SIAグループの格安航空会社Scootは、昨年12月下旬から250人以上の客室乗務員を新規に採用したという。スクートの人事担当副社長テレサ・タン氏は、2023年3月の会計年度末までに約900人の客室乗務員を採用することを目指すと述べた。
 
　タン氏は、パンデミック中に一時解雇された、あるいは副業として雇用されたすべての客室乗務員は、徐々に現役に復帰しているし、後方業務やサービスのための労働者（モバイルアプリケーション開発者、ウェブ開発者、人事スペシャリスト）なども雇用していると述べた。
 
　SIAとScootは先月、合計170万人の乗客を運び、前月から17.4％増加した。航空機の座席がどの程度埋まったかを示す搭乗率は78.2％を記録した。これは、パンデミック発生以来、最も高い数値である。
 
　シンガポール政府観光局（STB）によると、先月シンガポールを訪れた観光客は41万8,310人だった。これは、パンデミック前の2019年5月に登録された150万人の3分の1以下だが、今年4月と比較すると41.75％の増加である。