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社会

2022年6月3日

マレーシアの輸出禁止措置により、鶏肉を使った料理が割高に

 6月1日(水)から始まったマレーシアの輸出禁止措置を受けて、すでに値上げをした店もあれば、様子を見ている店もあり、鶏肉を使った料理が値上がりしている。
 
 島内に8店舗を展開するチキンライスチェーンのBoon Tong Keeは、水曜日から全店でシグネチャーボイルド(ポーチド)チキンを15%値上げしてGST抜きS$36ドル(約3,400円)にしたと発表した。
 
 また、新鮮な鶏肉の在庫に限りがあるため、各店舗で提供するボイルドチキンの数に上限を設け、50~70個程度とする予定。
 
 Boon Tong Keeのディレクターであるジェイソン・ティアン氏は、この値上げは、様々なサプライヤー間で新鮮な鶏肉のコストが10%から20%上昇したことを補うためのものだと述べた。
 
 同店のもうひとつの看板料理である鶏肉の紙包み焼きは、今後冷凍鶏肉を使って作られることになるという。
 
 Seah StreetにあるチキンライスレストランSing Swee Keeでは、オペレーションディレクターのエリス・パン氏が、将来的に5%から10%の値上げを行う可能性がある。鶏肉の供給価格を監視しており、大幅な価格調整を避けるため、価格が安定することを望んでいる。鶏の内臓や足、スープやご飯に使う鶏の骨などもあり、それらもすべてコストアップしていると語った。
 
 台湾のフライドチキンチェーン、Mongaは、価格の高騰と供給不足の両方から「マイナスの影響を受けている。同チェーンを経営するBaoshi F&B Managementのオペレーションディレクターであるレム・チョン氏は、来週までに全商品を30セント値上げする可能性がある。この数週間、私たちはすでにコストを吸収してきた。顧客は共感してくれると思うと述べた。
 
 一方、Joo ChiatにあるDickson Nasi Lemakは、今月は一時的に店舗を閉鎖し、禁止が解除されれば7月1日に再開したいとのことだ。同店のスタッフの一部は、別の店舗であるChampion Bolo Bunに移動すると、同店を運営するThe Platform Collectiveは述べている。また、マレーシアから来たスタッフの中には帰国した人もいるという。
 
 マネージングディレクターのホー・ロワイ氏は、2022年5月時点では、アヤムゴレン・ベレンパ・ナシレマック(スパイス揚げチキン)などの料理を販売していたが、輸出禁止が続けば、アヤムレンダン、ビーフレンダン、サンバルソトンなどの料理の発売を検討すると語った。
 
 しかし、一部のレストランは値上げをしないと言っている。リトルインディアにあるKhansama Tandoori Restaurantは、コストアップを吸収する予定。
 
 経営者のラケッシュ・クマール氏は、回転率が高く、経営が安定しているので、賃金を下げたり、料理の質を落としたりするようなことはしないと言う。

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