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経済

2022年4月18日

第1四半期の経済成長率3.4%に鈍化、コロナ反動が一服

 

 シンガポール貿易産業省が4月14日発表した2022年第1四半期の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率は前年同期比3.4%となり、21年第4四半期の6.1%から大きく減速した。新型コロナウイルス流行の反動が一服した格好だ。
 
 成長率は全ての産業でプラスだったが、ほとんどの産業で伸びが鈍化した。製造業は6.0%で、前四半期の15.5%から減速。ただ貿産省は、半導体や半導体機器の世界需要は旺盛で、国内生産も堅調だったとしている。建設は1.8%で、前四半期の2.8%から鈍化。新型コロナ前に比べて生産額は25.3%低く、労働者不足が大きな足かせとなっている。
 
 卸小売り・運輸・倉庫は3.2%、情報・通信・金融・保険・プロフェッショナルサービスは5.3%で、前四半期から1.2〜1.3ポイント鈍化した。唯一伸びが加速したのは宿泊・外食・不動産・管理支援サービスで、前四半期の1.6%から3.0%に伸びた。
 
 全体のGDP成長率は季節調整済み前四半期比でプラス0.4%となり、3四半期連続でプラス。ただ前四半期の2.3%から減速した。産業別では製造業がマイナス1.2%、情報・通信・金融・保険・プロフェッショナルサービスがマイナス2.0%と下がった。建設業はプラス2.8%で、前四半期のマイナス2.1%からプラス転換。宿泊・外食・不動産・管理支援サービスは2.6%から2.9%に加速した。卸小売り・運輸・倉庫は1.3%から1.2%に減速した。
 
 貿産省は、ロシアによるウクライナ侵攻以前に、22年のGDP成長率が3.0〜5.0%になると予想していた。第1四半期はこのレンジ内で成長したものの、ウクライナ危機を起因とする原油高や物流停滞による物価高が懸念されるとしている。 
 こうした中でシンガポール金融管理局(MAS)は14日、金融引き締めを一段と強化すると発表している。
 

(提供:亜州ビジネスASEAN

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