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経済

2021年11月4日

食品価格は、今後数ヵ月で値上げする見込み

 ガン・キムヨン(Gan Kim Yong)貿易産業大臣は、世界的な食料品価格の上昇、労働力不足、そしてエネルギー価格の上昇により、今後数ヵ月間、シンガポールでは食料品価格は値上げすることが予想されるという。
 
 11月3日(水)に行われた議会質問に対する答弁書の中で、ガン大臣は、エネルギー価格がさらに上昇することが予想されるため、食品供給業者はコスト増を反映して価格を調整する必要があるかもしれないと述べた。食品のコストは、輸入価格、運賃、労働力、季節的な天候の変化など、さまざまな要因に影響されるという。
 
 国内の食品価格は過去6ヵ月間で上昇しており、世界的なインフレ圧力により、商品やサービスの価格全般が上昇することが予想される。
 
 シンガポールは発電用の天然ガスを輸入しているほか、食料品のほとんどを輸入しているため、これらの商品の世界的な価格上昇は国内の価格上昇につながる。
 
 ガン大臣は、政府は食料品価格の上昇による影響を緩和するために、様々な方法でシンガポールの家庭を支援していく。また、価格競争力を維持し、供給の回復力を高めるために、輸入ソースの多様化を継続していくという。
 
 貿易産業省(MTI)のアルビン・タン(Alvin Tan)氏は、商品やサービスの価格が上昇する可能性があるとして、この問題がシンガポールの家計、特に低所得層の家計にとって懸念事項であることを認識している。生活費の圧迫に対処するための政府の計画について、タン氏は、低所得者層には、コムケアや恒久的なGSTバウチャーなどの制度、「2020年予算の食料品バウチャー」などの単発的な措置によって、日々の生活費をサポートしてもらえると述べた。
 
 また、供給の制約や世界経済の回復によって引き起こされるコスト圧力を管理するための政府の多面的なアプローチについて、物価の高騰を抑えるために、シンガポール金融管理局(MAS)は、貿易加重為替レートの政策バンドの傾きをわずかに急峻にすることで金融政策を引き締め、シンガポールドルの強化を可能にし、輸入品が安くなるようにしたと説明した。今回のMASの動きは、輸入インフレを緩和し、国内コストを抑制することで、中期的な物価安定を確保するのに役立つという。

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