2021年8月16日
ムヒディン首相、野党側に超党派での政治協力を呼び掛け
ムヒディン・ヤシン首相は8月13日に特別演説を行ない、新型コロナウイルス「Covid-19」の危機に直面する中での自身の首相辞任は国政を混乱させることになると述べ、野党側に超党派による政治協力を呼び掛けた。
閣僚らをともなって行なったテレビ演説の中でムヒディン首相は、自身の辞任は内閣総辞職を意味すると指摘。ただ一方で、新首相を指名することに関して国王の同意を得られるような過半数を掌握していると証明できる国会議員も存在しないと述べ、このまま自身が辞任すれば国が混乱に陥ることになるだろうと述べた。
その上で、超党派の支持が得られれば懸案であった首相任期の2期制限や所属政党の鞍替え禁止、18歳以上の選挙権実施などがただちに実現でき、特別委員会のメンバーの半数が野党議員になるだろうと強調。各議員に割り当てられた各選挙区への支援のための年間予算を野党議員にも等しく配分するとし、野党側に政府への協力を求めた。その上で野党側が強く求めている総選挙を遅くとも2022年7月までに行なうと宣言した。
ムヒディン首相率いる与党連合・国民同盟(PN)及び友党は昨年3月、アブドラ国王による議員個別の聞き取りを経て下院の過半数を掌握したと認定され、政権樹立を宣言した。しかしこれに反発する野党連合・希望同盟(PH)などが過半数掌握に疑義を唱えていた。
その後、新型コロナ感染拡大を理由に非常事態宣言が出され、国会が半年以上にわたって休会となり、ムヒディン政権の正統性議論も先送りされていたが、国王の介入もあってムヒディン首相はついに、信任投票実施に同意した。国会は9月6日に再開することになっており、翌9月7日にムヒディン首相に対する信任投票が行なわれることになっている。
(提供:ASIA INFONET.COM)